神話学の変遷と非合理の発見
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著者
書誌事項
- タイトル
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神話学の変遷と非合理の発見
- 著者名
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新町, 貢司
- 著者別名
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シンマチ, コウジ
- 学位授与大学
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筑波大学
- 取得学位
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博士 (文学)
- 学位授与番号
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甲第2478号
- 学位授与年月日
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2001-03-23
注記・抄録
博士論文
資料形態 : テキストデータ プレーンテキスト
コレクション : 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
本研究の主題は、神話学と文学の関係について論じることである。 神話と文学との間には、常に密接な繋がりがあった。太古の神話はそもそも文学作品として今日まで伝わっている。近・現代の作家はしばしば、古い神話を取り上げてはそこに新しい内容を吹き込むことによって創作を行う。「神話と文学」という主題を掲げるとするなら、 ...
2000
目次
- 目次
- 序論
- 第一節 研究の目的
- 第二節 論文構成
- 第三節 「神話学」の定義
- 1.Mythologieの定義
- 2.神話の見方の変化-文献学の変化
- 3.様々な解釈方法
- 第一章 近代ヨーロッパの神話学
- 第一節 研究対象の拡大-比較神話学の成立
- 1.ドイツにおける比較神話学
- 2.マックス・ミュラーの比較神話学と進歩史観
- 第二節 「未開」文化の西洋的解釈
- 1.E.B.タイラーの„Primitive Culture"
- 2.「未開人」の表象-19世紀後半のイギリス・フランスの文学作品から
- 第三節 進歩史観と二元論
- 1.進歩史観と二元論に対する批判
- 2.ヘーゲルの歴史哲学
- 3.発展と進歩のイデオロギー
- 第四節 時代背景としての植民地主義・帝国主義
- 1.18世紀後半-デュペロンとジョーンズと植民地インド
- 2.19世紀-オスマン・トルコとヨーロッパ、あるいはクレタ島とメソポタミアでの発見
- 第二章 ドイツ・ロマン派の神話学
- 第一節 反啓蒙主義としてのロマン主義
- 第二節 クロイツァーの『象徴と神話』
- 1.理念の具現としての象徴と、象徴の解釈としての神話
- 2.神話の源泉の地インド
- 第三節 バハオーフェンの『母権制』
- 1.オリエント・アジアの根源性という表象
- 2.『母権制』の広範な影響
- 第四節 ニーチェの『悲劇の誕生』
- 第三章 進歩史観と二元論に基づく神話解釈
- 第一節 カッシーラーの『神話的思考』
- 第二節 ルドルフ・オットーの『聖なるもの』
- 第三節 聖一俗と二元論
- 第四節 アビ・ヴァールブルクにおける合理と非合理
- 第五節 呪術の西洋的解釈
- 第六節 アドルノにおける神話的なもの-閉塞する主体
- 1.『啓蒙の弁証法』
- 2.『キルケゴール 美的なものの構造』
- 第四章 非合理への洞察と二元論の否定-ニーチェの『ツァラトゥストラ』-
- 第一節 ゾロアスターからツァラトゥストラへ
- 第二節 鷲と蛇
- 第三節 綱渡り人
- 第四節 太陽と海
- 第五節 円環
- 第六節 砂漠の獅子
- 第七節 正午
- 第八節 稲妻
- 第九節 二元的なものの統一と矛盾
- 第五章 母権制とオリエント・アジア的なものの表象-ホーフマンスタール、ヘッセの場合-
- 第一節 ホーフマンスタール
- 1.『第672夜のメルヘン』
- 2.アレクサンダー大王
- 3.インドの女王カンダケ
- 4.母なるものと死
- 第二節 ヘッセ
- 1.『デーミアン』における二元性
- 2.『デーミアン』におけるグノーシス主義のモチーフ
- 3.母なるもの
- 結論 非合理の発見とヨーロッパ精神の動揺
- 第一節 非合理の発見
- 第二節 ヨーロッパ精神の動揺
- 註
- 引用文献・参考文献一覧表