高濃度人工炭酸水温浴による電流知覚閾値 (Current Perception Threshold: CPT) の変化

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  • Changes in the Current Perception Threshold (CPT) Due to Artificial High Concentration CO2 Water Warm Bathing.

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抄録

高濃度人工炭酸水温浴の除痛効果の機序を調べるために, CPT装置を用いて電流知覚閾値 (CPT) の測定を行い水道水と炭酸水温浴を比較検討した。対象は健常女性 (炭酸水温浴13名, 水道水温浴11名) とし全身温浴を行い, 表在皮膚温, 深部体温計, 組織血流量, CPTなどを測定した。<br>皮膚温, 血流量の検討から水道水温浴に比較し炭酸水温浴の方が38℃以上で有意に組織循環が増加し代謝改善がはかれていた。また, Aβ・Aδ線維は, 35, 38, 41℃のいずれの水温においてもCPTに変化はみられなかったが, C線維は, 水温41℃でCPTが有意に上昇していた。このことは, 炭酸自体には神経を介した除痛の特異的作用はないと示唆するものであった。<br>したがって, 高濃度人工炭酸水温浴の除痛機序は, 35℃では血管拡張作用によるもので, 38℃以上で循環改善による代謝改善効果が加わり, 41℃においては神経の知覚閾値上昇もさらに加わり相乗的に除痛すると考えられた。<br>臨床的には水温41℃15分間の高濃度炭酸水温浴を血圧下降に注意しながら施行することが, 循環代謝改善に加え, C線維由来の鈍痛を緩和するのに有効で, 鈍痛などの疼痛改善に有効な治療法であると思われた。

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