Pasteurella multocida P-1059株及び変異P-1059B株の付着性蛋白の分子解析

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Abstract

P. multocida莢膜血清群AのP-1059株(血清型A:3)とその変異株P-1059B株(血清型-:3)の細胞付着因子であり、かつ交差防御抗原である39kDa蛋白(Cp39)の遺伝子を同定し、その性状を解析した。その結果、P-1059株Cp39の推定分子量は37kDaで、20のシグナルペプチドからなり、353個のアミノ酸で構成されること、P-1059B株Cp39の推定分子量は35kDaで、20のシグナルペプチドからなり、343個のアミノ酸で構成されていることが明らかとなった。また、P-1059株のcp39遺伝子は既報のX-73株(血清型A:1)の主要外膜蛋白H(OmpH)遺伝子(ompH遺伝子)と同一であることが示唆された。一方、P-1059B株のcp39遺伝子はP-1059株のompH遺伝子と同じであることが判明した。これらのことから、P-1059株のcp39遺伝子とompH遺伝子の違いが示唆された。次に、大腸菌発現ベクター系を用いて組換えCp39(rCp39)を調製し、その性状を調べたところ、Cp39、rCp39及びrOmpHに対する家兎免疫血清はウェスタンブロットで交差反応を示し、X-73株、P-1059株、およびP-1059B株の鶏胚線維芽細胞への付着を有意に抑制した。以上より、P-1059株のrCp39はP. multocida莢膜血清群Aの菌株に共通の抗原であり、共通の付着因子であることが示された。

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