敗血症及び感染性心内膜炎 (昭和60年~昭和61年) に関する臨床的検討

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  • Clinical Studies on Septicemia and Infective Endocarditis encountered between 1985 and 1986

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抄録

川崎市立川崎病院内科に於いて昭和60年から61年にかけての2年間に経験された敗血症例51例及び感染性心内膜炎に臨床的検討を加えた.単数菌敗血症は46例でgram-negativerod32例, gram-positive cocci12例, gram-positiverod2例で菌種別ではEscherichia coli17例, Klebsiella pneumoniae 9例, Staphylococcusamusが4例であった.基礎疾患では肝胆道系10例, 血液疾患と悪性腫瘍が各々7例を占めていた.敗血症性ショックの合併例は非合併例に比較して致命率が有意に高かった.敗血症の発症それ自体が入院の直接の理由であるcommunityacquiredの症例が46例中23例であった.複数菌検出例は5例であった.これら51例中50例が化学療法を受けていたが主要薬剤はCefmetazole或いはPiperacillinであった.これら敗血症の予後は起因菌より基礎疾患, 年齢等の因子により多くの影響を受けていた.<BR>感染性心内膜炎は3例経験されていたが僧帽弁閉鎖不全症に加え胃癌の骨転移のあるα-streptococcusを起因菌とする症例でdisseminated intravascular coagulationの合併をみたが治癒せしめ得た極めて稀と言える症例も経験されていた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 63 (5), 541-548, 1989

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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