小児の悪性黒色腫―症例の供覧と統計―

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  • [Malignant melanoma in children--case presentation and statistical analysis].

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抄録

10ヵ月女児,先天性巨大色素性母斑(giant congenital nevocellular nevus,以下GCNと略す)より発症した悪性黒色腫(malignant melanoma,以下MMと略す)の症例を報告した.腰部臀部から大腿に広がる淡褐色斑上に鶏卵大までの黒色斑が多数存在し,側腹部の黒色斑上に悪性黒色腫が発症した.広範囲切除,リンパ節郭清術を施行したが,全身転移により全経過8ヵ月で死亡した.組織学的に,表皮及び表皮真皮境界部にはほとんど変化を認めず腫瘍の主体は真皮内にあり真皮内母斑細胞よりの悪性化と考えられた.本邦における15歳以下の悪性黒色腫発症例は,自験例を含めて38例集計された.その結果,約1/3はGCNより発症し残りは明らかな前駆病変のない部位より発症すること,組織像は真皮内母斑細胞の悪性化を示すことが多く,通常の組織型としてはNMが多いこと,真皮内母斑より発症したMMは予後が悪いこと,ALMは,成人に比べてきわめて少ないこと,などの特徴があることがわかった.

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