抗ケラチン単クローン抗体を用いた正常ヒト成長期毛包 特に外毛根鞘の免疫組織化学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • [An immunohistochemical study on cell differentiation in the outer root sheath of the normal human anagen hair follicles with antikeratin monoclonal antibodies].

この論文をさがす

抄録

正常ヒト成長期毛包の外毛根鞘におけるケラチンの存在様式を頭皮10例について11種の抗ケラチン単クローン抗体を用いて免疫組織化学的に検討した.分化型cytokeratin 1,10,11は漏斗部の中間層および顆粒層に存在した.漏斗部と毛峡部では一線を画して明らかに異なるケラチン発現を認めた.一方,未分化細胞の指標とみられるcytokeratin 19は特徴的に毛峡部の外毛根鞘の最外層と下部毛包の一部に認められ,また過増殖を示す上皮細胞の指標とみられるcytokeratin 16は漏斗部基底層と毛峡部以下の外毛根鞘に広範に認められた.以上の結果より,漏斗部は表皮と同様のケラチンの発現を示し,毛峡部より下方の外毛根鞘は毛軸に沿った内上方に向かう分化方向が示唆された.また,外毛根鞘はheterogeneousなケラチンの集まりの細胞で構成されていると考えられた.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ