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抄録
広島大学皮膚科において,最近10年間に経験し治療した悪性黒色腫57例について,臨床的および組織学的に検討し,その臨床統計,治療および予後について述べた.病型分類ではacral lentiginous melanoma が最も多く,その予後は良好であったが,nodular melanomaは原発巣のpT分類および病期とも進行しており,予後も比較的不良であった.病期分類ではstageIIIが最も多く,未治療例の病期別予後に関し,累積法による5年生存率は,stageIで100%,stageIIで83.3%,stageIIIで61.4%,stageIVで0.0%であった.生検方法はincisional biopsyを施行した症例はexcisional biopsyを施行した症例より予後不良の傾向が認められた.手術療法として踵部はmedial plantar flap,女性の外陰部は薄筋皮弁を用いて再建し,また母指に発生した症例は,切断後示指による母指化手術を行った.鼠径部のリンパ節郭清ではradical groin dissectionをおもに用いたか,予防的リンパ節郭清については,原発巣がpT3b以上では必要と思われた.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 103 (6), 789-, 1993
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680716017920
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- NII論文ID
- 130004680705
- 80007068022
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可