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抄録
嚢腫壁および嚢腫内腔にエックリン汗管を認め,同時にHPV60感染の確認された足底嚢腫例を報告した.組織学的には表皮様構造の壁と内腔を満たすケラチン様物質からなる真性嚢腫であり,表皮様嚢腫と診断したが,特異所見として嚢腫壁および内腔の管腔様構造とケラチン様物質内の空胞様構造を認めた.嚢腫壁に細胞質内封入体は認めなかった.免疫組織学的検討により,管腔様構造に一致したCEA陽性と空胞様構造に一致したHPV抗原陽性を認め,in situ hybridization法により感染HPVがHPV60であることも確認された.足底表皮様嚢腫の発症機序については近年強調されているHPV感染のみならず,エックリン汗管の関与の可能性についても検討する必要がある.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 104 (4), 579-, 1994
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680715909120
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- NII論文ID
- 130004680780
- 80007532716
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可