まれな皮膚真菌症に対する経口抗真菌剤Terbinafineの臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical analysis of oral antifungal agent, Terbinafine, on rare dermatomycosis.

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抄録

比較的まれな皮膚真菌症を対象として, terbinafine 125mg錠1日1回(125mg/日)投与の有効性, 安全性ならびに有用性を, 全国34施設からなる共同研究班にて検討した。解析対象例数は, 有効性, 有用性については31例, 安全性については33例であった。各真菌症に対する有効性は, 頭部白癬(3例), ケルスス禿瘡や白癬性毛瘡などのいわゆる深在性白癬(7例), 白癬性肉芽腫(2例)については有効率100%, スポロトリコーシス(12例), クロモミコーシス(3例)については有効率66.7%, 慢性皮膚粘膜カンジタ症·カンジタ性肉芽腫(2例)については有効率50.0%であった。その他フェオフィオミコーシス(1例), 皮膚アルテルナリア症(1例)については無効であった。安全性は, 全例において副作用や臨床検査値異常などは認められなかった。以上, まれな疾患であり少数例での検討結果ではあったが, 本剤は上記皮膚真菌症に対して有用性の高い薬剤であり, 新しい治療法として十分期待できると考えた。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 56 (3), 584-594, 1994

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (14)*注記

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