静脈疾患における血管内治療

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  • Endovascular Surgery for Venous Diseases

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抄録

<p>教室における血管内治療でのカテーテル血栓溶解療法(CDT),下大静脈フィルター,ステント治療の成績,問題点について検討した.CDTは16例で,内訳は鎖骨下静脈4例,腸骨大腿型10例,下大静脈血栓2例であり,ウロキナーゼ全身投与群との比較で,血栓溶解効果は有意に高かった.また,CDT中の明らかな肺塞栓の発生はみられず,両群で肺血流シンチでの陰影欠損の発生頻度に差は認められなかった.フィルターは26例に挿入したが,うち10例は腎静脈上に挿入した.3ヵ月から8年1ヵ月(平均3年3ヵ月)の追跡で,5例を他病死で失ったが,下大静脈閉塞,肝腎機能障害はみられなかった.ステント治療は6例に施行したが,侵襲も少なく,開存成績は良好であった.血管内治療は静脈疾患においても有用で,他の治療法との組み合わせにより治療成績の向上が期待される.しかし,その適応と遠隔期の成績は明らかではなく,今後も検討が必要である.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 11 (1), 19-28, 2000

    日本静脈学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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