三つ子の出生体重・出生身長に関連する要因

書誌事項

タイトル別名
  • BIRTH WEIGHT AND HEIGHT CHARACTERISTICS OF TRIPLETS
  • ミツゴ ノ シュッショウ タイジュウ シュッショウ シンチョウ ニ カンレン スル ヨウイン

この論文をさがす

抄録

目的 本研究では,三つ子の出生体重・出生身長を分析し,それらに関連する要因について検討した。<br/>方法 調査対象は,当研究室で把握し,研究の主旨説明に同意の得られた1986年以降に出生した三つ子371組,1113人である。調査内容は,三つ子の出生体重,出生身長,性別,出生順位,分娩方法,在胎週数,母親の身長,妊娠前の体重,分娩時の母体体重,および不妊治療等である。なお,母親の妊娠前体格については,body mass index (BMI)と算出した。<br/>成績 本調査における三つ子の出生体重および出生身長は,それぞれ平均1763.3±420.6 g と42.2±3.36 cm であった。また,その96%以上が低出生体重児,さらに24.4%が極低出生体重児,4.9%が超低出生体重児として出生していた。三つ子の出生体重は,在胎週数の他に,男子が女子より,異性の組合せが同性の組合せより,経膣分娩で出生した三つ子が帝王切開で出生した三つ子よりも有意に重かった。また,第 3 子が 1 番軽く,第 2 子,第 1 子の順で重くなっていた。妊娠前の BMI が26 kg/m2 より大きい肥満型の妊婦から出生した三つ子は,BMI が19.8 kg/m2 未満の痩せ型の妊婦から出生した三つ子よりも出生体重が有意に重かった。また,分娩時母体体重増加量は出生体重と有意な相関が認められた。三つ子の出生身長は,在胎週数の他に,男子が女子より,異性の組合せが同性の組合せより有意に大きかった。妊娠前に肥満型の妊婦から出生した三つ子は,痩せ型の妊婦から出生した三つ子よりも出生身長が有意に大きかった。さらに,三つ子の出生身長は,分娩時母体体重増加量ならびに不妊治療とも関連が認められた。<br/>結論 三つ子の出生体重ならびに出生身長は,単胎児および双子よりもさらに低値を示した。三つ子の出生体重は在胎週数以外に三つ子の性,出生順位,母親の妊娠前体格,分娩方法,分娩時母体体重増加量の影響を受けており,出生身長は在胎週数以外に三つ子の性,母親の妊娠前体格,不妊治療の影響を受けてることが明らかとなった。

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (22)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ