中部日本におけるヤマドリSyrmaticus soemmerringiiの環境利用について

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タイトル別名
  • Habitat Use of the Copper Pheasant Syrmaticus soemmerringii in Central Japan

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抄録

ヤマドリの森林環境利用様式を森林総合研究所多摩森林科学園(東京都八王子市)において調査した。調査は基本的に月に5日間、日の出から日没まで調査地内を歩き廻り、ヤマドリとの出会いの時間、行動、環境等を記録した。1997年11月から1998年10月までの1年間において、総観察約570時間におけるヤマドリの観察回数は106回であった。観察されたヤマドリは80%が雄であり、1年の中では3~6月に観察されることが多く、11月には最も少なかった。利用していた森林環境は、高木層では広葉樹林で最も多く、逆に針葉樹林やサクラ植栽林では少なかった。また低木層の少ない環境ではほとんど観察されなかったが、密な環境でも少なくなった。斜度が比較的高いところを好んでいたが、方位には特定の傾向は認められなかった。広葉樹林はヤマドリの主要食物である堅果や漿果類を多く産出し、適度な低木層は捕食者に対する隠れ場所を、斜面は捕食者への障壁を提供し、そのような場所をヤマドリは好むと考えられた。

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