マツノマダラカミキリ生物的防除のための実験室内および野外網室におけるサビマダラオオホソカタムシの予備的放飼試験

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タイトル別名
  • Preliminary release experiments in laboratory and outdoor cages of Dastarcus helophoroides(Fairmaire)(Coleoptera: Bothrideridae) for biological control of Monochamus alternatus Hope(Coleoptera: Cerambycidae)

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抄録

サビマダラオオホソカタムシのマツノマダラカミキリ穿入丸太に対する放飼試験を以下の3通りの方法で行った。試験1.実験室内における成虫放飼、試験2.実験室内における孵化幼虫の放飼、試験3.野外網室内における卵放飼。試験1における寄生率は全体で7.9%と低く、これは実際に供試丸太に産卵した成虫の個体数が少なかったことによるものと考えられた。試験2における寄生率は63.2%で、全放飼個体の35%が寄生に成功した。これらの結果からサビマダラオオホソカタムシを人為的にマツノマダラカミキリに寄生させることが可能であることが明らかとなった。試験3における寄生率は49.7%であった。マツノマダラカミキリの生存率は試験丸太で45.9%であったのに対し、対照区では96.4%と、明らかな放飼の効果が認められた。しかし、寄生率は丸太ごとに大きくばらついており、卵の放飼後間もなくマツノマダラカミキリ成虫が羽化脱出した丸太では寄生率の低い傾向が認められた。したがってサビマダラオオホソカタムシの高い寄生率を得るためには、卵の放飼時期を寄生可能な寄主ステージに同調させる必要があるものと考えられた。

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