微小気泡と超音波間歇送信法を用いた子宮筋腫の相対的組織血流量に関する研究

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タイトル別名
  • MEASUREMENT OF BLOOD FLOW TO UTERINE FIBROIDS USING MICROBUBBLES AND ULTRASOUND INTERMITTENT SONICATION METHOD
  • ビショウ キホウ ト チョウオンパ カンケツソウシンホウ オ モチイタ シキュウ キンシュ ノ ソウタイテキ ソシキ ケツ リュウリョウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

超音波造影剤である微小気泡 (レボビスト) を用いた超音波間歇送信法により, 子宮腫瘍における組織血流量を正常子宮筋層と対比測定し, 本法の婦人科腫瘍臨床における応用の可能性を検討した.対象はインフォームドコンセントを得た子宮筋腫20例である (比較として子宮肉腫3例) . (1) レボビスト300mg/ml総量8.5mlを, 2ml/secでボーラス投与後, 1.5ml/minにて持続静脈注射した.0.5, 1, 3, 5秒間隔の超音波照射で得られるドプラシグナル強度を基に相対的組織血流量を測定した.正常子宮筋層と各腫瘍病巣は出来るだけ近く, かつ深さに差のないように関心領域を設定した.超音波診断装置はアロカ社製Pro Sound II, 測定はコントラストハーモニックパワーフローで行った.画像解析には超音波診断装置に内蔵された画像解析ソフトPRISMを使用した. (2) 子宮筋腫での子宮動脈塞栓術 (UAE) 施行前後に相対的組織血流量を比較した (n=6) . (1) 子宮筋腫核は正常子宮筋層に比し血流量の指数が低値であった (Wilcoxon検定, p<0.05) .3例の子宮肉腫では肉腫病巣の血流量は多かった. (2) UAE施行後, 子宮筋層, 筋腫核ともに組織血流量は有意に低下したが, 筋腫核血流量の低下は正常筋層血流量のそれに比較し顕著であった.今回我々は微小気泡と超音波間歇送信法により, 子宮筋腫の組織血流量をはじめて測定し, 本方法の子宮腫瘍の鑑別診断およびUAEの治療効果判定への有用性を示した.

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