老子真解
著者
書誌事項
老子真解
汲古書院, 2000.2
- タイトル読み
-
ロウシ シンカイ
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内容説明・目次
内容説明
『老子』を読むこと久し。教えること久し。その度に、疑問の生じること又々限りなし。一体、何故こうなのか。思慮熟考することが数々であった。そのあげく、兎に角、『王注老子道徳経』の王弼注を、逐一訓読し解読しようと決意した。この切っかけが、三十三章の「死して亡びざる者は寿し。」の王注である。それは、この一語に心が惹かれ、今まで眠っていた神経が、潮のように高ぶって来たからである。ところが驚いた。今日まで、如何なる注釈書も、この三十三章の「死して亡びざる者は寿し。」の王注を取り上げた書は、一書として見当たらない。これは、如何に王注を利用しても、単に訓詁だけに傾き、注釈者の精神が那辺にあるかを看過し、究明する炯眼がなかった証左である。更に驚いたことは、この『老子』の文体が、三段論法の構成になっているのではないか。と、閃いたことである。そこで、数章を、試みにこの形式で解明して見た。すると、何となく当て嵌る。正確な三段論法ではないが、一章を三段に分けて論述していることが、判明した。そこで、「三段的論法」と名づけ、主題・解説・結論とし、八十一章全章を解明した。三段論法ではないが、この手法によって立論したので、この名を付けたのである。この方法で全章を解明すると、今までどうしても、理解できなかった不明の箇所が、一目瞭然として氷解されたのは、驚きのまた驚きであった。老子は、文学的表現や逆説に優れた文人であるだけでなく、論理的構文の構築に、この上ない科学者である。心静かに『老子』を解読すると、この感が心底から仄々と蘇って来る。本書を『老子真解』と題したのは、王注に拠って『老子』をありのままに解明したことからである。
目次
- 上篇(道経)(宇宙の創世;無為の範疇;理想の政治;道の本体 ほか)
- 下篇(徳経)(上徳・下徳;得一の功用;道の運動;大器晩成 ほか)
「BOOKデータベース」 より