能の女たち
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能の女たち
(文春新書, 139)
文藝春秋, 2000.11
- タイトル読み
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ノウ ノ オンナ タチ
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内容説明・目次
内容説明
十二の能をとりあげ、そこに登場する女性たちの愛憎劇を練達の筆が描きだします。姉と妹が一人の男を愛したときの複雑な嫉妬。あるいは、年老いた下僕に恋されてしまった絶世の美女の困惑。浅ましいわが身に絶望しつつ、救いを求めずにはいられない孤独。年老いて自然にかえっていく女—。厳しく決められた様式の下から、古今変わらぬ人間心理を鋭くつかみ出し、現代人の共感をよぶ一冊です。
目次
- 1 『清経』の愛人—男の絶望の深さを、理解できなかった女。
- 2 『黒塚』の鬼女—業を負った女の悲しみと孤独。
- 3 『恋重荷』の女御—サディズムの代償は「死」か、それとも「許し」か。
- 4 『羽衣』の天女—天真無垢な心が持つ浄化力。
- 5 『鉢木』の妻—事の本質を見誤らなかった眼、つつましやかな叡智の勝利。
- 6 『鉄輪』の女—生きながら鬼となるぶきみさ。それはだれもが心の底に秘めている呪い願望の形象化か。
- 7 『海人』の海女—我が身を犠牲にして勝ち取った息子の栄達。
- 8 『松風』の妹—姉と分かち合った愛。その軽重を計る苦しさ。
- 9 『籠太鼓』の妻—狂気を装うしたたかな策略。女房族の強さは現代と変らず。
- 10 『隅田川』の母—ひたすらな歎き。没我の愛。
- 11 『藤戸』の母—権力を屈伏させた底辺の力。
- 12 『山姥』の老女—女の或る者は老いて哲理となり、大自然と一体化する。
「BOOKデータベース」 より