渇き
著者
書誌事項
渇き
(アジアの現代文学, 17 . インドネシア||インドネシア)
めこん, 2000.12
- タイトル別名
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Kering
- タイトル読み
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カワキ
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注記
イワン・シマトゥパン著作リスト: p229-231
内容説明・目次
内容説明
本作品もイワンの他作品と同様、個としての人間の持つトラウマ、疎外、生の不条理を様々な反フォーマル・リアリズム的手法で描くという特徴を持っている。先に述べたように、登場人物には名前がなく、さらに地名もなく、日時も特定できない。物語の舞台がインドネシアであるとも書いていない。著者の意図は、抽象性の中で物語を展開することにあった。この抽象的物語世界の中で官僚制度やインテリが批判され、言語、認識、性、結婚、信仰が語られ、放浪や移住が論じられる。これらのテーマに対する扱い方は、イワンの他の作品と共通するところが多い。また、イワンの小説に共通する特質として、(ブラック・ユーモアも含め)ユーモアの要素があげられるが、本作品では、そのユーモア性が最も顕著である。ただ、本書が他の作品と決定的に異なっているのは、その結末である。主人公は最終的には社会へのコミットメントを選択する。加えて、他者への呼びかけで終わるというこの結末は開かれており、作品にある種の明るさを与えている。
「BOOKデータベース」 より