世界を肯定する哲学
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世界を肯定する哲学
(ちくま新書, 283)
筑摩書房, 2001.2
- タイトル読み
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セカイ オ コウテイ スル テツガク
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内容説明・目次
内容説明
思考することは、ひたすら“問いかけ”をつづけることである。思考のプロセスに演算不能領域を組み入れ、思考することの限界を実感することで、逆説的に“世界”があることのリアリティが生まれる。風景や動物を文学的な比喩として作品に組み入れず、ただ即物的に描写する特異な作風の小説家によって、問いつづけられた「存在とは何か」。宇宙の外、サッカー・ロボット、カフカの視野、夢の中の生、十四歳の夏の朝の経験…等の具体的な事象から、小説家独自の思考プロセスを経て、存在することの核心に迫ってゆく。そして最終的に、意識や記憶が、“私”の側でなく“世界”の側にあることが描き出される、世界のための、世界の肯定のプログラム。
目次
- そもそも人間はこの宇宙に存在しなかったのではないか
- 世界のモデルと視覚(俯瞰と自己像;視覚イメージを持たない思考)
- 「記憶の充足性」は思考によって浸食される
- 「私」はすべて言語というシステムに回収されうるか
- 「リアリティ」とそれに先立つもの
- 私が存在することの自明性について
- いまの言語(思考法)とそうでない言語(思考法)
- 夢という、リアリティの源泉または“寸断された世界”の生
- 記憶は“私”のアイデンティティを保証するか
- “精神”が書物の産物だとしたらインターネットの中で“精神”は…
- 生きる歓び
「BOOKデータベース」 より