隅田川(角田川)
著者
書誌事項
隅田川(角田川)
(能の友シリーズ, 10)
白竜社, 2002.2
- タイトル読み
-
スミダガワ
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編集: 白竜社
内容説明・目次
内容説明
春の隅田川を舞台に、子を思う母の狂おしいほどの愛情が描かれたお能です。この曲は四番目物に属しますが、その中でも物狂をシテとした狂女物の代表的傑作とされています。四番目物は「雑の能」とも呼ばれ、狂女物や現在物など、様々な曲趣の作品が混在しているのが特徴です。隅田川の渡し守(ワキ)が客を待っていると、都から下ってきた物狂いの女(シテ)が現れ、乗船を乞います。この女と渡し守との問答は『伊勢物語』第九段を背景としており、在原業平の東下りと同じく、都から東国へ下る女物狂いのイメージが重ねられているのです。渡し守との遣り取りや都鳥の情景、妻を思う業平と我が子を恋う女の心情の巧みな二重写しが、物語に豊かな情趣と哀傷を加えています。ようやく乗船を許された女は、渡し守から思いがけず我が子の哀れな末路を聞かされます。そのうえ今日がちょうど一周忌に当たるという運命の皮肉。絶望しながらも命日の大念仏に加わった女は、幻に見えた我が子(子方)と手に手を取り交わそうとしますが、やがて夜が明け、その姿は儚く消え失せてしまうのでした。
目次
- 能のみどころ
- 物語・隅田川
- 「隅田川」マップ
- 狂い笹
- 隅田川・原文
「BOOKデータベース」 より