依田勉三の生涯
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依田勉三の生涯
「依田勉三の生涯」を復刻する会 , コアラブックス(発売), 2002.11
- タイトル読み
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ヨダ ベンゾウ ノ ショウガイ
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注記
「依田勉三の生涯 上・下」(潮出版社 昭和54年刊)の合本
内容説明・目次
内容説明
明治16年未開の地北海道十勝野にその身を投じた依田勉三と晩成社の人々。農業王国十勝の歴史は数えきれない困難との戦いの歴史だ。
目次
- 「社名、晩成社。…営業種目、土地開墾、耕作、牧畜、造林、農業…」勉三は、次第に声を張っていった
- どれほどの寒さか。何寸の雪か。体験は、知恵だ。三十余名の安心を買うためなら、わし一匹の苦労など、なにほどのものでもない
- 蝦夷地は、端の端までアイヌの土地だ、住処だ、墓地だ。そこへ鍬をうちこむ奴がくれば、敵という名で呼ばれても弁解の余地はない
- 猛り立つのは勉三ひとりで、男たちの足どりも重かった。覚悟はとうに出来ている。半分、破れかぶれで、故郷を出た
- 日中の陽ざしは、伊豆の夏を越える暑さでジリジリと背中を焼くというのに、朝晩の冷えこみは、袷の上下を着ても震えた
- 「あれは、なんだ?」と西南の空を指さした。暗雲のように見えながら、それは、また、キラキラと空に降る銀粉のようにも見えた
- 私が為すべきことは、何か。叱咤激励ではない。裂けた傷口をやさしくふさぐ、慰めの言葉と、看護ではなかったか
- 何処へ行くか…まだ、考えてもみねえ。ただ、これだけは、まっとうのことだ。どこへ行っても、ここに残るよりは、ましだ
- 黙々と鍬をふるった。空腹も欲望もなかった。自分の存在さえ、消えた。あるのは、太古から土に親しむ、一人の農夫の姿であった
- 覚えておくがよい。お前はオペレペレプの産湯をつかって、この世に生を享けたのだ。お前こそ真に開拓の子だ。開拓は一代では成らぬ〔ほか〕
「BOOKデータベース」 より