フルトヴェングラー : 悪魔の楽匠
著者
書誌事項
フルトヴェングラー : 悪魔の楽匠
(叢書・20世紀の芸術と文学)
アルファベータ, 2004.11
- 上巻
- 下巻
- タイトル別名
-
The devil's music master : the controversial life and career of Wilhelm Furtwängler
- タイトル読み
-
フルトヴェングラー : アクマ ノ ガクショウ
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注記
原書名: The devil's music master
原著(1992)の全訳
フルトヴェングラーの肖像あり
上巻・下巻出典文献あり
内容説明・目次
- 巻冊次
-
上巻 ISBN 9784871985314
内容説明
世界最高のオーケストラであるベルリン・フィルとウィーン・フィルを指揮し、オペラの指揮者としても名声を誇り、さらには作曲家としても三極の交響曲を完成させるなど、文字通り、二十世紀を代表する音楽家、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー。上巻では、華麗なる知識階層に生まれた天才の、一筋縄ではいかない幼少年期から、青年期の修行時代を経て卓越した一流の指揮者になり、音楽家、作曲家そして思想家へと発展する道筋を辿る。
目次
- 音楽を奏でる力を持って
- マインハイム
- ベルリン
- アメリカ
- 成功と征服
- 決断
- ヴァイマールと第三帝国
- ナチスの恐怖政治
- 苦悩するプロメテウス
- 枢密院顧問官
- ヒンデミット事件
- もう一つの事件
- 精神の対決
- おぞましい任務 その一
- 巻冊次
-
下巻 ISBN 9784871985321
内容説明
フルトヴェングラーの名声には没後五十年となるいまもなお、暗い影がさす。彼が、ナチ政権下のドイツに留まるという、宿命的、悲劇的決断をしたためだ。一九三三年のナチスによる政権奪取後、数千人のインテリや芸術家は亡命した。しかし、フルトヴェングラーは終戦直前までドイツに留まった。この、決意ゆえに、彼は「ナチスの宣伝マン」「ヒトラーのお気に入り指揮者」「悪魔の楽匠」という、永遠に続く糾弾と非難の的となった。しかし、彼がナチに追従したどころか、公然とヒトラーやヒムラーに叛旗をひるがえし、生命の危険もかえりみず闘ったことを、本書は文献資料を駆使して克明に描き出す。下巻では、敗戦直前のドイツからの脱出劇、非ナチ化審理の過程、そして復帰後の活動を描く。さらに、遺された膨大なレコードから、『トリスタンとイゾルデ』や『指環』、ベートーヴェンの第九をはじめとする、伝説的名盤の数々を論評する。フルトヴェングラーには音楽や政治的存在の他にも種々の側面があった。読者は、この端倪すべからざる人物が問題の多い作曲家であり、多弁なエッセイストであり、日記を丹念に書き続ける人であり、誠実な友人だが逆らえば強敵となる男であり、しかも救いようのない漁色家であることを知るであろう。
目次
- おぞましい任務—その二
- 悪魔の誕生日
- 公判に至るまでの長い日々
- 審判の日
- 試練は続く
- 秋の輝きと苦難と
- 『トリスタン』の録音
- スタジオ録音
- ライブ録音(戦時中の録音;『指環』およびその他の作曲家の作品)
- エロイカ
- コーダ—第九は偉大だ
「BOOKデータベース」 より