祖国のために死ぬこと
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祖国のために死ぬこと
みすず書房, 2006.9
- : 新装版
- タイトル読み
-
ソコク ノ タメ ニ シヌ コト
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論文6篇の翻訳
内容説明・目次
内容説明
「祖国」の観念はいつ生まれ、そのために戦いで死ぬことがどうして神聖な行為とみなされたのか—近代国家の成立と宗教性=超越性を二重化したこの問いは、中近世の歴史家であり、二つの世界大戦を経験した著者にとって、切実な問いであった。12、13世紀のヨーロッパ。それまでの中世の王権が古代的な祭政一致的理念をひきずっていたのに対し、この時代に俗権としての国家は、それ自体聖性を獲得するようになった。パウロの手紙以来、教会組織は、頭であるキリストに有機的に結びつく四肢、すなわち「キリストの体」として、象徴的に理解されてきたが、この身体の隠喩が、王を頭とする「神秘体」としての国家という政治理念に転用されるようになったのである。そして全体の体の健康のためには四肢も切断されうるという比喩にしたがって、祖国のための死が、国家という永久不変の神秘体を防衛する聖なる行為とみなされるようになる。本書は『王のふたつの身体』などで知られる天才歴史家カントロヴィッチの代表的6論文を集成した。わが国の王権や国家の象徴儀礼をめぐる研究にも、大いなる刺戟をあたえる書となろう。
目次
- 中世政治思想における「祖国のために死ぬこと」
- 国家の神秘—絶対主義の構成概念とその中世後期の起源
- 「キリスト」と「国庫」
- 法学の影響下での王権
- ダンテの「ふたつの太陽」
- 芸術家の主権—法の格言とルネサンス期の芸術理論についての覚え書
「BOOKデータベース」 より