藤沢周平という生き方
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書誌事項
藤沢周平という生き方
(PHP新書, 439)
PHP研究所, 2007.1
- タイトル読み
-
フジサワ シュウヘイ ト イウ イキカタ
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内容説明・目次
内容説明
人間関係の悩み、将来の不安、現状への不満…。表に出せずためこんだ負の感情を、人としずかに感じあい、うけいれ、いま一度むきあう。「鬱屈の交感」こそ藤沢周平から読者への贈り物だった。人は喜びや楽しみ以上に、苦しみや悲しみでつながらねばならぬ。「ハッピーエンドが書けなかった」と語る独特の人間観は、つらくても生きようとする、ほの明るい意志を登場人物に吹きこんだ。没後10年、心が鬱々として晴れない時代がゆえに読み継がれる藤沢周平。新たに発見されたデビュー前の諸作品から長編への跳躍の軌跡を語る。
目次
- 交感 苦しみと悲しみの交感—藤沢周平という生き方
- 鬱屈 鬱屈からはじまった—書くことと鬱屈との関係
- 助走 さまざまな可能性にむかって—発見された十四作品をたしかめる
- 跳躍 かならず人は跳躍のときをむかえる—八年の歳月の、さらなる鬱屈がそうさせた
- 出来る なにからも学び、なにごとも可能にする青春の日々—獄医立花登手控えシリーズ
- 真夏 真夏の光が照らし耳にわんとひびくほどの蝉の声がもどって来た—『蝉しぐれ』
- 誘惑 壮大な権力を狙撃する、眼が眩むばかりの誘惑—『逆軍の旗』『回天の門』『雲奔る』
- 人肌 たまらなくひと肌が恋しくなることがある—彫師伊之助捕物覚えシリーズ
- もめごと 世の中、揉めごとというものは絶えんものだ—『よろずや平四郎活人剣』
- 権力 権力の内側に入り、身体が熱湯をかぶるように熱くなった—『風の果て』『市塵』
- 筋を通す 薄汚れ、ぼろぼろになってなお友は筋を通した—用心棒日月抄シリーズ
- 老い 一本の白髪の背後には、見知らぬ世界が口をあけていた—『海鳴り』
- 早春 明るい早春の光の下、虫のようなしかし辛抱強い動きを見た—『三屋清左衛門残日録』
- 帰郷 人は二度、故郷にいだかれねばならない—『一茶』に刻まれた、藤沢周平の旅のはじまり、旅の終わり
「BOOKデータベース」 より