ホメイニ師の賓客 : イラン米大使館占拠事件と果てなき相克

書誌事項

ホメイニ師の賓客 : イラン米大使館占拠事件と果てなき相克

マーク・ボウデン著 ; 伏見威蕃訳

早川書房, 2007.5

タイトル別名

Guests of the Ayatollah

タイトル読み

ホメイニ シ ノ ヒンキャク : イラン ベイ タイシカン センキョ ジケン ト ハテナキ ソウコク

内容説明・目次
巻冊次

上 ISBN 9784152088246

内容説明

1979年11月4日、テヘランのアメリカ大使館を、アーヤットラー・ホメイニを精神的支柱とする急進的イスラム主義の学生たちが占拠した。国民を抑圧したパフラヴィー前国王の身柄引き渡しを求める穏健な抗議行動は、事態を政治的に利用しようともくろむ勢力の参入で統制が失われ、結果66名のアメリカ人の大半を人質として1年以上も監禁する事態に発展する。往年のCIAによる内政干渉が遠因であるとはいえ、外交慣習を冒涜するこの暴挙は全米を震撼させ、ときのカーター政権に行動を促す声が沸きあがる—しかし人質の安全確保を最優先とするとき、まっとうな外交が機能しない国を相手にいったいどんな解決手段が残されているというのか?劣悪な環境のもとで人間の強さと弱さを曝け出した人質たち、救出手段を模索して苛立つカーター政権、絶望的な難題に挑むデルタ・フォース、日和見的なホメイニに翻弄される両国の交渉者たち…膨大な数のインタビューや現地取材から、それぞれの過酷な444日間を克明かつ劇的に再現。現代にも続く相克の決定点となった事件の全貌を描く。『ブラックホーク・ダウン』の著者、ボウデン渾身のノンフィクション大作。

目次

  • 1 “セット・イン”—一九七九年一一月四日 テヘラン
  • 2 スパイの巣窟
  • 3 待機
巻冊次

下 ISBN 9784152088253

内容説明

人質解放に関するイラン側との約束が幾度も一方的に破棄され、カーター政権は屈辱を味わわされる。残された道は、新設の特殊部隊「デルタ・フォース」による人質奪還作戦しかない。だが信頼できる同盟国も近くになく、当時のテヘランは陸の孤島とも呼べるほど遠い目標だった。イランやソ連に探知されずに8機の実戦ヘリと6機の大型輸送機を侵入させ、人口500万を超える過密都市の中心で電光石火の如く救出と脱出を遂行しなくてはならないのだ。なんとかイラン国内の砂漠に設えられた即席の離着陸場に部隊が揃ったのも束の間、砂を浴びたヘリの不調によって作戦は中止を余儀なくされる。しかし、米軍史上最悪の惨事は退却命令の直後に起こったのだった。犠牲者8名を出した救出作戦の失敗がアメリカに衝撃と絶望をもたらし、カーター再選の道を閉ざした一方、イランでは狂信者の舌鋒が鋭さを増し、人質の処刑を望む声が高まっていく…全世界に禍根を残したテヘラン米大使館占拠事件の壮絶な最終局面。

目次

  • 3 待機(承前)
  • 4 一三二名の兵士
  • 5 蛮人との交渉

「BOOKデータベース」 より

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