鹿野政直思想史論集

書誌事項

鹿野政直思想史論集

鹿野政直著

岩波書店, 2007.11-2008.5

  • 第1巻
  • 第2巻
  • 第3巻
  • 第4巻
  • 第5巻
  • 第6巻
  • 第7巻

タイトル読み

カノ マサナオ シソウシ ロンシュウ

注記

布装

著作目録あり

収録内容
  • 第1巻: 大正デモクラシー・民間学
  • 第2巻: 女性 : 負荷されることの違和
  • 第3巻: 沖縄1 : 占領下を生きる
  • 第4巻: 沖縄2 : 滅却に抗して
  • 第5巻: 鋳なおされる心身
  • 第6巻: 個性のふるまい
  • 第7巻: 歴史意識と歴史学
内容説明・目次
巻冊次

第1巻 ISBN 9784000266444

内容説明

人びとの救済への願望は、いかにしてデモクラシーに対する敵意へと転回していったのか。その崩壊に至る内的要因を照らし出した一連の論考と、制度化してゆく学問と果敢に対峙した「民間学」についての論考とを合わせて、著者の大正デモクラシー研究を集成する。

目次

  • 1 大正デモクラシー 救済のゆくえ(二つの“改造”;創唱宗教の思想—大本教と“立替え立直し”への衝迫;青年団運動の思想—長野県上田・小県地域の青年たちと農村受難の想念;大衆文学の思想—中里介山と“大乗”の観念)
  • 2 民間学—運動としての学問(民間学への途;民間学の諸相;民間学の発想)
巻冊次

第2巻 ISBN 9784000266451

内容説明

日本の「近代」がもたらした女性たちへの抑圧の構造は、人びとの意識をどのように拘束してきたのか。「女性にとって」という一貫した視点から、既存の歴史像を問いつづけてきた著者の女性史研究を集成する。

目次

  • 1 戦前・「家」の思想(家庭見直し論のなかで;解体される実体と強化される理念;再編される実体と理念)
  • 2 「女であること」への問い(ウーマン・リブの旗;身体と言葉の主題化;加担という視点の浮上;問い直される家族・家庭;女性学・フェミニズム)
  • 3 負荷への挑戦(中山みきと平塚らいてう—「新しい女」の出現;与謝野晶子—産む性としての自負;市川房枝—婦選へと貫く意志;高群逸枝—家父長制に立ち向う;鹿島光代—女性史を築く;伊藤雅子—「主婦」性を洗い出す)
巻冊次

第4巻 ISBN 9784000266475

内容説明

沖縄を回復する志のもと、『おもろさうし』を基盤に、沖縄学を創始した伊波普猷。その願いは、戦後に引きつがれ、沖縄学はさらなる「にが世」の克服へと向かっていく。伊波普猷を中心に、思想史における沖縄とヤマトの相互性を追求し続ける著者の積年の研究を集成する。

目次

  • 1 伊波普猷とその時代(世替りを受けとめて;新知識人の誕生と帰郷;『古琉球』;精神革命の布教者;転回と離郷;「孤島苦」と「南島」意識;「父」なるヤマト;亡びのあとで)
  • 2 伊波普猷以後(沖縄の経験;沖縄をめぐる/に発する「文化」の状況)
巻冊次

第5巻 ISBN 9784000266482

内容説明

日本の「近代」がもたらした、「健康」であること、「兵士」であることの「呪縛」とは、何であったのか。幕末維新期から現代までの健康観の変遷を追求した論考と、「兵士」という鋳型に嵌めこまれる人びとの意識を描いた論考とを合わせて、著者の心身史研究を集成する。

目次

  • 1 健康観にみる近代(「健康」の時代;「体質」の時代;「体力」の時代;「肉体」の時代;「体調」の時代;「生命」の時代)
  • 2 兵士であること(動員と従軍;死の見きわめ;戦争の影)
巻冊次

第6巻 ISBN 9784000266499

内容説明

日本の「近代」がもたらしたさまざまな矛盾は、感性や発想の次元にいたるまで、人びとの意識を奥深く規定していった。その規定性に立ち向かった人びとにとって、「近代」とは何であったのか。「個性」たちの希望の輝きを描くことで、「もうひとつの近代」の可能性を追求しつづける著者の論考を集成する。

目次

  • 1 個性たちの国家構想(文明とはなにか 諭吉・兆民・蘇峰・雪嶺の思考から;ナショナリストたちの肖像陸羯南と三宅雪嶺;徳富猪一郎と大江義塾;馬場辰猪と公民意識;夏目漱石と明治国家;啄木における国家の問題;河上肇の明治末期;荒畑寒村と日本社会主義の青春;国家への照射)
  • 2 歴史の中の個性たち(組みかえへの献身;対峙する想像力)
巻冊次

第7巻 ISBN 9784000266505

内容説明

「いま」を確かめ、「未来」を探りたいという思いから、著者は歴史学の自己点検を続けてきた。歴史学は、人びとの歴史意識と、どのように切り結んできたのか。同時代の歴史意識を追求した論考と、敬慕する歴史家たちを描いた論考とを合わせて、著者の「歴史学への問いかけ」を集成する。

目次

  • 1 「鳥島」は入っているか(歴史学の自己点検;「戦後」意識の現在;人間論の現在)
  • 2 化生する歴史学(化生する歴史学;自明性の解体のなかで;「わたしたち」をいかに回復するか)
  • 3 問いかけの史学(E.H.ノーマン—クリオの使者;鶴見良行—アジア学への旅立ち;黒羽清隆—「民衆」史と「庶民」史を架橋する;家永三郎—求道の思想史学;西岡虎之助—民衆史家の風貌)

「BOOKデータベース」 より

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