長きこの夜
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長きこの夜
新潮社, 2007.9
- タイトル読み
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ナガキ コノ ヨ
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収録内容
- 風の舟
- 長きこの夜
- 「わたし、どうしたらいいの?」
- 赤い珠
- おにんどん
- 死者たち
- 橋の声
内容説明・目次
内容説明
夜中眼覚め脳裏に浮かぶのは、新婚時代のポニーテールの妻と若い自分、毎日オムツを取り替え自宅で見取った97歳の父。そして自分の葬式の死顔まで見えて…。老人の無明長夜(「長きこの夜」)。「赤い珠が出たらもう終わりらしい」—「不能」をめぐる男たちの侃々諤々。滑稽な会話で描く老年の性(「赤い珠」)。仕事をリタイアした4人の老年の男たちが始めた料理教室。その若い女講師を囲む奇妙な華やぎとほろ苦さ(「おにんどん」)。不気味な老男女は、学童疎開で私に煎餅を「献納」したコモリ姉弟なのか。(「死者たち」より「ズルズル・バッタン・チェッ」)。隅田川の橋の上、昭和初期の若き日の父・質屋の小僧信どんは語った。戦火のなか生き延びた父の描いた夢の真相(「橋の声」)。『黄落』から十二年、さびしくおかしい老年の一瞬の輝きを円熟の筆で描く七篇。最新短篇集。
「BOOKデータベース」 より