水鏡 ; 大鏡
著者
書誌事項
水鏡 ; 大鏡
(國史大系 / 黒板勝美編輯, 第21卷上)
吉川弘文館, 2007.6
新訂増補, オンデマンド版
- タイトル読み
-
ミズカガミ ; オオカガミ
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注記
タイトルは奥付による
平成11年10月発行の新装版(初版は昭和14年5月発行)のオンデマンド版
内容説明・目次
内容説明
水鏡 附流布本水鏡…神武天皇より仁明天皇(八五〇崩)までの歴史を仮名混り文にした所謂歴史物語のひとつ。編年体。作者は藤原忠親と伝えられ、平安時代末か鎌倉時代初めの成立であろう。三巻。修行者が高齢の仙人から聞いた話を老尼に物語るという形式をとる。内容は、漢文体の扶桑略記から抄説して作者が仮名書きにしたに過ぎないが、扶桑略記の散逸部分の記事内容を知ることができるという利点を今日もっている。原本は流布本系のものと思われるが、その代表として専修寺本を底本とした。いまひとつの前田家本水鏡は鎌倉時代になって神国思想や庶民信仰などを背景に流布本を改作したものであるが、改作部分にみられる積極的な記述は、無味乾燥な流布本の敍述にない生気をもっているため、時代の空気を知る好材料といえるであろう。大鏡…文徳天皇(八五〇即位)より後一条天皇万寿二年(一〇二五)までの歴史を仮名混り文にした所謂歴史物語のひとつ。紀伝体。作者については諸説があるが、村上源氏の出の人であろうという。平安後期の成立。大宅世継と夏山繁樹という老人に見聞した昔を物語らせながら、若侍がときどき批判を加えるという形で展開していく。天皇の本紀と藤氏の摂関大臣の列伝と逸話からなるが、藤氏の繁栄を描き道長の栄花の由来を尋ねながらも言外に批判的なものをにおわす。会話の応酬の巧みさ・人物描写の鮮かさなど、興味のそそられる書物である。底本には尾張徳川黎明会本を用い、千葉本ほかで校合する。
目次
- 水鏡(一代神武天皇;二代綏靖天皇;三代安寧天皇;四代懿徳天皇 ほか)
- 大鏡(第五十五代文徳天皇(裏書);第五十六代清和天皇(裏書);第五十七代陽成天皇(裏書);第五十八代光孝天皇 ほか)
「BOOKデータベース」 より