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中世荘園公領制と流通

峰岸純夫著

(中世史研究叢書, 17)

岩田書院, 2009.3

タイトル読み

チュウセイ ショウエン コウリョウセイ ト リュウツウ

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内容説明・目次

内容説明

本書は、この荘園公領制の成立・展開過程の考察と合わせて、水運を中心とした物流と銭貨流通の問題を追究する意図でまとめたものである。荘園公領制は土地制度・所領支配の農村問題で、物流や銭貨流通の問題は商業史・金融史・都市史の問題とややもすると分離して考察されてきた。しかし、全国にまたがる荘園公領制の権門都市(京都・奈良・鎌倉など)への年貢・公事輸送(水運・陸送)の問題は避けて通れず、そのシステムが機能しないことには成り立ちえない構造になっている。銭貨流通にしてもこれと深くかかわっていたと思う。たとえば、水運にしても年貢・公事輸送とそれ以外の物流が往復の積荷になっていたことに留意する必要があろう。帆船は、船底への積荷なしでは走れない。このような点で、両者の関係に目配りしながら第1部・第2部の論考が配置されている。第3部は、荘園公領制の提起者が網野善彦氏ということもあって、網野説をどう批判しまた継承するかという点の二論考を配置している。

目次

  • 序 荘園公領制と流通
  • 第1部 水運と銭貨流通(中世東国水運史研究の現状と問題点;荘園公領制と流通—船と銭と陶磁器;戦国時代東国における銭貨の流通と贈答—『長楽寺永禄日記』にみる;戦国時代武蔵品川における町人と百姓)
  • 第2部 荘園公領制の展開(年貢・公事と有徳銭;十五世紀後半の土地制度;十五世紀東国における公家領荘園の崩壊—上野国利根荘の場合)
  • 第3部 網野善彦説の批判的継承(網野善彦『無縁・公界・楽』によせて;中世史研究は変わったか—網野学説の批判的継承)

「BOOKデータベース」 より

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