鷗外漱石から荷風へ : nil admirariの表明と主人公達
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鷗外漱石から荷風へ : nil admirariの表明と主人公達
郁朋社, 2009.2
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オウガイ ソウセキ カラ カフウ エ : nil admirari ノ ヒョウメイ ト シュジンコウ タチ
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主な参考文献: p286-288
Description and Table of Contents
Description
明治二十三年、数え年二十九歳で『舞姫』を書いた森鴎外は、主人公太田豊太郎に、彼が留学先のドイツで「物学びせし」過程において「一種のニル、アドミラリイ」の気象を養い得たと表明させた。鴎外がこう記した二十年後の明治四十三年、『それから』を開板した夏目漱石もまた、主人公長井代助が「三十になるかならないのに既にnil admirariの域に達して仕舞った」と説明した。日本近代文学を代表する二人の主要作品の主人公に「nil admirari」の気象が醸し出されるのを表明させた意味は何だったのか。
Table of Contents
- 永井荷風『すみだ川』と久保田万太郎『朝顔』—近代の「虚業」および「実業」観
- 隠遁者荷風論—隠者における「西」と「東」
- nil admirariの表明と近代小説の主人公—二本足洋学者の流行語と鴎外および漱石
- 永井荷風の地政学的感性とD.H.ロレンス—第一次世界大戦を架橋とした戦争および経済、文学観の変遷
- 漱石作品の男と万太郎作品の女—男の「自我」と女の「自我」
- 「文弱」という事、「武弁」という事—「文武両道」に関する私的考察
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