ショック・ドクトリン : 惨事便乗型資本主義の正体を暴く
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ショック・ドクトリン : 惨事便乗型資本主義の正体を暴く
岩波書店, 2011.9
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The shock doctrine : the rise of disaster capitalism
ショックドクトリン : 惨事便乗型資本主義の正体を暴く
- Title Transcription
-
ショック・ドクトリン : サンジ ビンジョウガタ シホン シュギ ノ ショウタイ オ アバク
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Description and Table of Contents
- Volume
-
上 ISBN 9784000234931
Description
本書は、アメリカの自由市場主義がどのように世界を支配したか、その神話を暴いている。ショック・ドクトリンとは、「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことである。アメリカ政府とグローバル企業は、戦争、津波やハリケーンなどの自然災害、政変などの危機につけこんで、あるいはそれを意識的に招いて、人びとがショックと茫然自失から覚める前に、およそ不可能と思われた過激な経済改革を強行する…。ショック・ドクトリンの源は、ケインズ主義に反対して徹底的な市場至上主義、規制撤廃、民営化を主張したアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンであり、過激な荒療治の発想には、個人の精神を破壊して言いなりにさせる「ショック療法」=アメリカCIAによる拷問手法が重なる。
Table of Contents
- ブランク・イズ・ビューティフル—三〇年にわたる消去作業と世界の改変
- 第1部 ふたりのショック博士—研究と開発(ショック博士の拷問実験室—ユーイン・キャメロン、CIA、そして人間の心を消去し、作り変えるための狂気じみた探究;もう一人のショック博士—ミルトン・フリードマンと自由放任実験室の探究)
- 第2部 最初の実験—産みの苦しみ(ショック状態に投げ込まれた国々—流血の反革命;徹底的な浄化—効果を上げる国家テロ;「まったく無関係」—罪を逃れたイデオローグたち)
- 第3部 民主主義を生き延びる—法律で作られた爆弾(戦争に救われた鉄の女—サッチャリズムに役立った敵たち;新しいショック博士—独裁政権に取って代わった経済戦争;危機こそ絶好のチャンス—パッケージ化されるショック療法)
- 第4部 ロスト・イン・トランジション—移行期の混乱に乗じて(「歴史は終わった」のか?—ポーランドの危機、中国の虐殺;鎖につながれた民主主義の誕生—南アフリカの束縛された自由;燃え尽きた幼き民主主義の火—「ピノチェト・オプション」を選択したロシア)
- Volume
-
下 ISBN 9784000234948
Description
ショック・ドクトリンは、一九七〇年代チリの軍事クーデター後の独裁政権のもとで押し付けられた「改革」をモデルとし、その後、ポーランド、ソ連崩壊後のロシア、アパルトヘイト政策廃止後の南アフリカ、さらには最近のイラク戦争や、アジアの津波災害、ハリケーン・カトリーナなど、暴力的な衝撃で世の中を変えた事件とその後の「復興」や、(IMFや世界銀行が介入する)「構造調整」という名の暴力的改変に共通している。二〇〇四年のイラク取材を契機に、四年をかけた努力が結実した本書は、発売後すぐ、絶賛する反響が世界的に広がり、ベストセラーとなった。日本は、大震災後の「復興」という名の「日本版ショック・ドクトリン」に見舞われてはいないだろうか。3・11以後の日本を考えるためにも必読の書である。
Table of Contents
- 第4部 ロスト・イン・トランジション—移行期の混乱に乗じて(資本主義への猛進—ロシア問題と粗暴なる市場の幕開け;拱手傍観—アジア略奪と「第二のベルリンの壁崩壊」)
- 第5部 ショックの時代—惨事便乗型資本主義複合体の台頭(米国内版ショック療法—バブル景気に沸くセキュリティー産業;コーポラティズム国家—一体化する官と民)
- 第6部 暴力への回帰—イラクへのショック攻撃(イラク抹消—中東の“モデル国家”建設を目論んで;因果応報—資本主義が引き起こしたイラクの惨状;吹き飛んだ楽観論—焦土作戦への変貌)
- 第7部 増殖するグリーンゾーン—バッファーゾーンと防御壁(一掃された海辺—アジアを襲った「第二の津波」;災害アパルトヘイト—グリーンゾーンとレッドゾーンに分断された社会;二の次にされる和平—警告としてのイスラエル)
- ショックからの覚醒—民衆の手による復興へ
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