隔離の文学 : ハンセン病療養所の自己表現史

書誌事項

隔離の文学 : ハンセン病療養所の自己表現史

荒井裕樹著

書肆アルス, 2011.11

タイトル読み

カクリ ノ ブンガク : ハンセンビョウ リョウヨウジョ ノ ジコ ヒョウゲンシ

注記

学位請求論文「病者と障害者の文学における自己認識と自己表現の諸相」(東京大学, 2009年) の第1部 (ハンセン病編) をもとに大幅な加筆修正したもの

内容説明・目次

内容説明

ハンセン病者への隔離政策が確立する一九三〇年代から、軍靴の音響くアジア・太平洋戦争期を経て、民主主義を謳歌する一九五〇年代まで—この激動の時代に、病者自身が描いた文学作品を研究・考察した十章から成る。ハンセン病者たちは、自分たちを抑圧し、抹消しようとする社会風潮や国家権力と、いかに向き合ってきたのか。また逆に、どのような言葉を駆使して抗してきたのか。終生隔離という極限状況に置かれた者が、いかにして「抑圧された生命を生きる意味」を紡ぎだすのかという普遍的な問題に挑む。

目次

  • 隔離する文学—「癩予防協会」と患者文学の諸相
  • 「断種」を語る文学—ハンセン病患者の文学にみる優生思想
  • “身振り”としての「作家」—北條民雄の日記精読
  • 「癩」の「隠喩」と「いのち」の「隠喩」—北條民雄「いのちの初夜」と同時代
  • 御歌と“救癩”—近代皇族の文学はいかに問い得るのか
  • 「病友」なる支配—小川正子『小島の春』試論
  • ハンセン病患者の戦争詩(近くて遠い詔勅;隔離の中の“大東亜”)
  • 「療養文芸」の季節—“弱さ”の自画像
  • 文学が描いた優生手術—ハンセン病患者は「断種」をいかに描いてきたか?

「BOOKデータベース」 より

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