「狐」が選んだ入門書
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「狐」が選んだ入門書
(ちくま文庫, [き-19-4])
筑摩書房, 2012.4
- タイトル読み
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キツネ ガ エランダ ニュウモンショ
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注記
書目一覧: p253-256
内容説明・目次
内容説明
著者のいう「入門書」とは、原典を理解するための補助をめざして書かれた本のことではない。著者はそれを「手引書」と呼んで、区別する。ある分野やことがらを対象に、一般の読者向けに、平明な文章で書かれているというのは無論のことだが、「入門書」はその書物自体が一個の作品となっていなければならない。それは思いがけない発見にみち、読書の歓びを与えてくれるだろう。各分野の厳選された入門書を紹介する画期的な読書案内。
目次
- 第1章 言葉の居ずまい(国語辞典に「黄金」を掘りあてる—武藤康史『国語辞典の名語釈』;敬語は日本語の肝どころ—菊地康人『敬語』;奈良の都に交わされる声を探る—橋本進吉『古代国語の音韻に就いて』;人生への問いと文章の書き方—里見〓(とん)『文章の話』;切れば血とユーモアの噴き出る文章術—堺利彦『文章速達法』)
- 第2章 古典文芸の道しるべ(社会人に語りかける古典入門—藤井貞和『古典の読み方』;古歌を読む分析的知性の強力さ—萩原朔太郎選評『恋愛名歌集』;現代詩をめぐる「楽しい遍歴」—三好達治『詩を読む人のために』;読むことのうれしさにみちた近代小説案内—窪田空穂『現代文の鑑賞と批評』)
- 第3章 歴史への着地(歴史への抑えに抑えた怒り—エルンスト・H.ゴンブリッチ『若い読者のための世界史』;歴史的想像力の剣さばき—岡田英弘『世界史の誕生 モンゴルの発展と伝統』;ブルジョワの二面性を鮮明に照らす—遅塚忠躬『フランス革命—歴史における劇薬』;「記者魂」の躍如としたジャパノロジー—内藤湖南『日本文化史研究』;歴史の直接的な肌ざわり—中村稔『私の昭和史』)
- 第4章 思想史の組み立て(世相の向こうに「近代」の醜怪をあばく—金子光晴『絶望の精神史』;考えるべきことを考えよという指針—田川建三『キリスト教思想への招待』;思想史からの伝言—岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』;本の「断片」を読みふかめる—内田義彦『社会認識の歩み』;アラビア語とイスラームとの切っても切れぬ関係—井筒俊彦『イスラーム生誕』)
- 第5章 美術のインパルス(たっぷりとゆたかな「小著」—武者小路穣『改訂増補日本美術史』;江戸絵画の見かたをかえる異色の水先案内—辻惟雄『奇想の系譜』;画家の身にひそむ思想の筋力—菊畑茂久馬『絵かきが語る近代美術』;「名画」という価値から解放された絵の見かた—若桑みどり『イメージを読む』;二十世紀絵画に「感覚の実現」を読む—前田秀樹『絵画の二十世紀』)
「BOOKデータベース」 より