僕がパパに育つまで : シングルファーザーの涙と再生の1年
著者
書誌事項
僕がパパに育つまで : シングルファーザーの涙と再生の1年
講談社, 2012.4
- タイトル別名
-
Two Kisses for Maddy
- タイトル読み
-
ボク ガ パパ ニ ソダツ マデ : シングル ファーザー ノ ナミダ ト サイセイ ノ イチネン
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内容説明・目次
内容説明
愛する娘が生まれて27時間。愛する妻が、死んでしまった。美人で強気、なにをやっても完璧な君に、いつでも頼りきりだった、気弱でさえない僕。君が消えてしまったこの世界で、ちゃんとやっていけるのか?君が残した宝物を、一人で育てていけるのだろうか?すべての親と「誰かの子ども」に贈る、感動の実話。
目次
- 1(僕が未来の妻、わが子の母親に出会ったのは、ガソリンスタンドだった。あれは、一九九六年一月も終わりかけた火曜日、ふたりが十八歳のときだった。;あれが、リズが幼い少女のころに夢見ていたプロポーズだったかどうかはわからない。ふたりとも汗まみれの白いTシャツ姿で、おまけに時差ぼけ気味だったが、僕たちにとっては、それ以上ないほど「完璧に不完全な瞬間」だった。;僕は無理にでも微笑み、自信ありげな口調で、すべてうまくいくさ、と言った。ベッドの彼女の横に座り、点滴をしていないほうの腕をやさしく撫でた。「僕たちの赤ん坊は完璧だ。なんたって母親が君なんだからね」 ほか)
- 2(僕は、すばらしい父親以上のものになる必要があった。それなら、史上最高の父親になってやろうじゃないか。;涙はいつも突然湧き上がってきた。泣かずにはいられなかったが、マディの前では懸命に涙をこらえた。僕のつらさを感じてほしくなかったのだ。;自分の人生はこなごなになったというのに、まわりの人たちが何ごともなかったかのように暮らしているのを見ると、気がおかしくなりそうになった。しかし、見知らぬ人たちが大きな慰めとなってくれたこともある。 ほか)
- 3(彼女がいなくなって一日、彼女がいなくなって一週間、彼女がいなくなって一ヵ月、彼女がいなくなって一年。こういった日が近づくと、おぞましい日に目覚めたとき、自分が完全に崩壊するのではないかと恐ろしくて、しばらく用心深く過ごした。;職場復帰後の僕は、「妻が死んだ男」だった。同僚たちのなかには、死が伝染病であるかのように、僕に接する人もいた。とはいえ、僕には彼らを責めたりできなかった—僕も彼らの立場に立てば、おそらく同じような反応を見せたことだろう。;今、僕が負っている責任は、ただ赤ん坊を幸せにしておくこと以上のものだった—マデリンが両方の親から同じくらいの影響を受けられるように、ふたりが好きだったことをつづけ、さらに深めていく必要があったのだ。 ほか)
「BOOKデータベース」 より