絶対音楽の美学と分裂する「ドイツ」 : 十九世紀
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書誌事項
絶対音楽の美学と分裂する「ドイツ」 : 十九世紀
(「音楽の国ドイツ」の系譜学, 3)
青弓社, 2015.1
- タイトル別名
-
絶対音楽の美学と分裂するドイツ : 十九世紀
- タイトル読み
-
ゼッタイ オンガク ノ ビガク ト ブンレツ スル「ドイツ」 : ジュウキュウセイキ
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注記
参考文献一覧: p306-317
筆者の博士学位申請論文『近代ドイツのナショナル・アイデンティティと音楽 : 『音楽の国ドイツ』の表象をめぐる思想史的考察』(東京大学大学院人文社会系研究科, 2005年)の第5章に加筆・修正をおこない、シリーズ「<音楽の国ドイツ>の系譜学」の第3巻として独立させたもの
内容説明・目次
内容説明
十九世紀のドイツは、ベートーヴェンの交響曲とともに、ついに自他ともに認める“音楽の国”へと上り詰める。フランスやイタリアに対するドイツ音楽の「勝利」は、進歩主義的な歴史叙述や、器楽を絶対視する美学によって強固な理論的基盤を獲得する。しかし、国家統一をめぐる熾烈な覇権争いは、やがて“ドイツ音楽”の理念をも引き裂くことになる。「絶対音楽」をめぐって奏でられた鋭い不協和音のなかに、亀裂の入った“ドイツ”が発する軋みの音を聴き取る。
目次
- 第1章 国民主義的音楽史の誕生—トリーストと十八世紀ドイツ音楽史(ヨーロッパにおける音楽史叙述の歴史;国民主義的音楽史叙述の成立 ほか)
- 第2章 “フランス”の変貌(「ドイツ人」対「新ラテン系諸民族」—フィヒテ『ドイツ国民に告ぐ』;形而上学と「ドイツ的なもの」—シェリングの学問論 ほか)
- 第3章 進歩主義的音楽史観のなかの“ドイツ”(「ドイツ的」かつ「近代的」なものとしての和声;音楽美学の転回点としての一八〇〇年—ヘルダーの器楽擁護論 ほか)
- 第4章 「ベートーヴェン・パラダイム」—ベートーヴェンと「ドイツ的なもの」(ドイツの「国民文化」としてのベートーヴェンの交響曲;「抑圧者」としてのベートーヴェン ほか)
- 第5章 絶対音楽の美学と“ドイツ”の分裂—音楽美学に見る南北ドイツの文化闘争(「絶対音楽」の美学はどこまで「ドイツ的」なのか?;ハンスリックの音楽美学に見る“ドイツ”と“イタリア” ほか)
「BOOKデータベース」 より