日本霊異記の罪業と救済の形象
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日本霊異記の罪業と救済の形象
笠間書院, 2017.2
- タイトル読み
-
ニホン リョウイキ ノ ザイゴウ ト キュウサイ ノ ケイショウ
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注記
課程博士論文 (國學院大學, 2015年) を基としたもの
内容説明・目次
内容説明
恋や愛という他者への欲望から生まれる罪業と葛藤、そして聖人の救済が描かれる『霊異記』。奈良末期から平安朝前期において、漢訳仏典の語や教理の深淵に人間の心の様相を求め、存在の在り方を探った仏教説話集である。これまでは仏教学、思想史学、歴史学、国語学方面からのアプローチがほとんどであったが、「文学」の対象に据えたとき、物語の持つあらたな構造が浮かび上がる。作品論的読解により、中国説話集の未熟な模倣作とされた評価を覆す。
目次
- 『日本霊異記』における罪業観と救済の構造
- 第1部 罪業の形象(狐妻説話における主題—愛欲の表現と異類婚姻譚;狐妻説話における恋歌—「窃窕裳襴引逝也」との関係を通して;「愛心深入」における女の因業;婬〓(いつ)なる慈母—子の孝養における救済;盲目説話の感応と形象—古代東アジア圏における信仰と奇瑞;宿業の病と無縁の大悲)
- 第2部 “聖人伝”の形象(聖徳太子の片岡説話—「出遊」に見える“聖人伝”の系譜;『霊異記』が語る行基伝—聖人の眼をめぐって;行基詠歌伝承と烏の形象;「外道」なる尼—女人菩薩説話の形成)
- 編者景戒の夢見と『日本霊異記』説話との関係性
「BOOKデータベース」 より