書誌事項

日記文化から近代日本を問う : 人々はいかに書き、書かされ、書き遺してきたか

田中祐介編 ; 柿本真代 [ほか] 執筆

笠間書院, 2017.12

タイトル別名

日記文化から近代日本を問う : 人々はいかに書き書かされ書き遺してきたか

タイトル読み

ニッキ ブンカ カラ キンダイ ニホン オ トウ : ヒトビト ワ イカニ カキ、カカサレ、カキノコシテ キタカ

注記

内容: 総論: 研究視座としての「日記文化」, 第I部: 自己を綴ることの制度化(1章「教育手段としての日記が定着するまで」, 2章「農民日記を綴るということ」), 第II部: 史料としての可能性(3章「昭和初期の役人日記における読書と政治的志向」-5章「多声響く〈内面の日記〉」), 第III部: 真実と虚構(6章「昭和一〇年代の王朝日記受容と綴り方運動」-9章「ジュニア向け文庫の「非行少女の日記」」), 第IV部: 学校文化の中の「書くこと」(10章「大正期の教育実習日誌におけるまなざしの往還」-12章「表現空間としての奈良女子高等師範学校」), 第V部: 「外地」で綴られた日本語の日記(13章「戦前期満洲における中国人青年の学校生活」, 14章「植民地台湾の知識人が綴った日記」), 第VI部: 近代日本の日記文化を浮き彫りにし、相対化するために(15章「近代日本の日記と学際研究」-17章「前近代の日記の〈発生〉について」), 第VII部: 特別対談「個人の記録を社会の遺産に」, シンポジウム開催記録, 執筆者プロフィール, あとがき(田中祐介)

科学研究費助成事業 (課題番号26770085, 15H03243, 17K13397) の成果

あとがきに「本書は2016年9月17、18日の二日間にかけて開催した学際シンポジウム「近代日本の日記文化と自己表象」(於明治学院大学白金校舎、本館10階大会議室) の成果に基づくもの」とあり

文献あり

収録内容
  • 総論 : 研究視座としての「日記文化」 : 史料・モノ・行為の三点を軸として / 田中祐介 [執筆]
  • 教育手段としての日記が定着するまで : 明治期少年の『日誌』にみる指導と規範 / 柿本真代 [執筆]
  • 農民日記を綴るということ : 近代農村における日記行為の表象をめぐって / 河内聡子 [執筆]
  • 昭和初期の役人日記における読書と政治的志向 : マルクス主義と共産主義運動の間の二重の分断線 / 新藤雄介 [執筆]
  • 精神科診療録を用いた歴史研究の可能性と課題 : 戦時下の陸軍病院・傷痍軍人療養所における日誌の分析を中心に / 中村江里 [執筆]
  • 多声響く「内面の日記」 : 戦時下の第二高等学校『忠愛寮日誌』にみるキリスト教主義学生の信仰・煩悶・炎上的論争 / 田中祐介 [執筆]
  • 昭和一〇年代の王朝日記受容と綴り方運動 : 堀辰雄・坂口安吾・川端康成における〈女性的なるもの〉のリアリティ / 川勝麻里 [執筆]
  • 権力と向き合う日記 : 北條民雄と読者・文壇・検閲 / 大野ロベルト [執筆]
  • 「編集された日記」における学徒兵の読書行為 : 学徒兵遺稿集と阿川弘之『雲の墓標』をめぐって / 中野綾子 [執筆]
  • ジュニア向け文庫の「非行少女の日記」 : 性をめぐる教化・窃視・告白 / 康潤伊 [執筆]
  • 大正期の教育実習日誌におけるまなざしの往還 : 師範学校生徒はいかにして教員となったか / 堤ひろゆき [執筆]
  • 書記行為から「女学生」イメージを再考する : 白河高等補習女学校生の日記帳と佐野高等実践女学校校友会誌を題材に / 徳山倫子 [執筆]
  • 表現空間としての奈良女子高等師範学校 : 「婦徳」の内面化と詠歌の相関 / 磯部敦 [執筆]
  • 戦前期満洲における中国人青年の学校生活 : 南満中学堂生の『学生日記』(一九三六年)から / 高媛 [執筆]
  • 植民地台湾の知識人が綴った日記 : 黄旺成日記にみる読み書きの実践と言語選択 / 大岡響子 [執筆]
  • 近代日本の日記と学際研究 : 日欧比較という視座から / 宮田奈奈 [執筆]
  • 近現代タイの日記文化 : 国民教導としての読ませる日記から民主化の黎明へ / 西田昌之 [執筆]
  • 前近代の日記の「発生」について : 日欧比較文化史の視点から / 松薗斉 [執筆]
  • 「個人の記録を社会の遺産に」 : 特別対談 / 島利栄子, 田中祐介 [述]
内容説明・目次

内容説明

虚実が入り混じり、読み手の解釈によりさまざまな相貌を見せるうえに、書き手が想像しなかった意味をも見出すことができるテクスト、日記。本書は知られざる他者の手による無数の日記に向き合うことで、多数の新鮮な「問い」の磁場を発見し、分析していく。果たして人々は、日記をいかに書き、書かされ、書き遺してきたか—。歴史学、文学、メディア学、社会学、文化人類学等、多数のジャンルの研究者たちにより、近代日本の日記文化を、史料・モノ・行為の三点を軸に明らかにしていく。

目次

  • 総論 研究視座としての「日記文化」
  • 第1部 自己を綴ることの制度化
  • 第2部 史料としての可能性
  • 第3部 真実と虚構
  • 第4部 学校文化の中の「書くこと」
  • 第5部 「外地」で綴られた日本語の日記
  • 第6部 近代日本の日記文化を浮き彫りにし、相対化するために
  • 第7部 特別対談—「個人の記録を社会の遺産に」(島利栄子「女性の日記から学ぶ会」代表)

「BOOKデータベース」 より

詳細情報
ページトップへ