共食いの島 : スターリンの知られざるグラーグ
著者
書誌事項
共食いの島 : スターリンの知られざるグラーグ
みすず書房, 2019.2
- タイトル別名
-
L'île aux cannibales : 1933, une déportation-abandon en Sibérie
- タイトル読み
-
トモグイ ノ シマ : スターリン ノ シラレザル グラーグ
大学図書館所蔵 全77件
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内容説明・目次
内容説明
西シベリアのオビ川に浮かぶ無人島、ナジノ島へ、1933年早春、モスクワとレニングラードから6000人が着のみ着のまま移送・遺棄され、事件は起きた。スターリンが「上からの革命」(富農階級の撲滅、農業集団化、第一次重工業化)に着手したのは1929年。その結果、穀倉地帯ウクライナは大飢餓におそわれる。農民は大挙して都市へ流入、都市では犯罪が激増した。秘密警察は1930年代前半、「大都市の浄化」と称して元富農や「社会的有害分子」の一掃を決め、西シベリアへは13万人強(1933年)が強制移住させられたのだ。ナジノ島の6000人という規模は、シベリアに送られた犠牲者総数の、ほんの芥子種一粒にすぎない。しかし著者は、発掘した「事件」関係の資料から、強制移住政策の全容を知ることになった—「壮大な計画」の立案、拙速な長距離移送が原因の大混乱、送られた人たちの運命まで。フランスの代表的なソ連史研究者ヴェルトは事実を淡々と語り、画期的な研究を実らせた。さらにこの「ミクロヒストリー」をとおして、スターリンの恐怖政治、収容所群島、秘密警察、ソビエト官僚制の実像までが見えてくるだろう。
目次
- 第1章 「壮大な計画」
- 第2章 強制移住地、西シベリア
- 第3章 交渉と準備
- 第4章 トムスク中継収容所で
- 第5章 ナジノ島
- むすび
- エピローグ 1933〜1937年
「BOOKデータベース」 より