書誌事項

酒の歌

松村雄二著

(コレクション日本歌人選 / 和歌文学会監修, 080)

笠間書院, 2019.2

タイトル別名

酒の歌 : 旅人から塚本邦雄まで、酒杯がそれぞれの歌をうたう

Sake no uta

タイトル読み

サケ ノ ウタ

注記

読書案内: p131-133

内容説明・目次

内容説明

我々の友 酒は百人各様各々が異なる「酔い」を見せるという厄介な代物だが、それは酒の罪でもなんでもないというアイロニカルな存在である。憶良‐旅人‐家持‐正徹‐幽斎‐真淵‐良寛‐曙覧‐子規‐鉄幹‐白秋‐牧水‐勇‐啄木‐茂吉‐鱒二‐宮柊二‐山崎方代‐前登志夫‐福島泰樹‐塚本邦雄。古代から現代までの「日本の酒の歌」を「酒・酒の歌・文学」として読み解く本邦初のアンソロジー。

目次

  • 酒を飲べて飲べ酔うてたふとこりぞ参で来ぞよろぼひぞ参で来る参で来る参で来る(作者未詳)
  • 新栄の神の御酒を飲げと言ひけばかもよわが酔ひにけむ(常陸国人某)
  • この御酒はわが御酒ならず日本なす大物主の醸みし御酒いく久いく久(高橋邑の人活日)
  • 味飯を水に醸みなしわが待ちし代は実なし直にしあらねば(一娘子)
  • 風雑り雨降る夜の雨雑り雪降る夜は術もなく寒くしあれば堅塩を取りつつしろひ糟湯酒うち啜ろひて咳かひ鼻びしびしにしかとあらぬ鬚かき撫でて我を措きて人はあらじと—(山上憶良)
  • 験なき物を思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし(大伴旅人)
  • なかなかに人とあらずは酒壺に成りにてしかも酒に染みなむ(同)
  • あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見れば猿にかも似る(同)
  • 官にも許し給へり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ(大伴一族某)
  • 居り明かしも今夜は飲まむほととぎす明けむ朝は鳴き渡らむそ(大伴家持)〔ほか〕

「BOOKデータベース」 より

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