書誌事項

後期スコラ神学批判文書集

M. ルター著 ; 金子晴勇訳

(知泉学術叢書, 6)

知泉書館, 2019.4

タイトル読み

コウキ スコラ シンガク ヒハン ブンショシュウ

内容説明・目次

内容説明

ルターは初期の聖書講義を通して新しい神学思想を着想し、ローマ書講義が終わった1517年、「スコラ神学を批判する討論」を公開した。これは神学的に危険な要素をはらんでいたが、教会当局からの干渉はなかった。その数週間後に「95カ条の提題」で贖宥問題を取り上げたが、これは神学的にはさほど重要ではなかった。しかし政治的には重視され、民衆が理解しやすかったこともあり、ドイツだけでなくヨーロッパ各地で多大な反響を引き起こした。これによって宗教改革の火ぶたが切って落とされたのである。1521年のヴォルムスの国会以後、宗教改革は現実味を増しルターの思想は危険視され、遂にヴァルトブルク城に幽閉された。そこで聖書のドイツ語訳に従事しつつ、初期討論集への批判に対する反批判を試みた「スコラ神学者ラトムス批判」を執筆し、初期ルター神学が豊かに展開した。後期スコラ神学とはオッカムの影響を受けたガブリエル・ビールの思想を指す。その中心思想は修道目的である、神により義人と判断される「義認」を得るための準備についての学説である。いわゆる恩恵と自由意志のどちらを優先するかという問題であり、ルターは自由意志を優先するビールを批判し、関連の文書を発表した。本書は宗教改革の基本となる難解な一連の文書の待望の翻訳と紹介である。

目次

  • 第1文書 「恩恵を欠いた人間の力と意志に関する問題」1516年(第1命題;第2命題 ほか)
  • 第2文書 スコラ神学を論駁する討論1517年(共通の言説の駁論;共通の見解の駁論 ほか)
  • 第3文書 「ハイデルベルク討論」1518年(神学的な提題;哲学からの提題 ほか)
  • 第4文書 ヨハン・エック博士の中傷に反対する修道士マルティン・ルターの討論と弁明1519年(修道士マルティン・ルターは最善の読者に挨拶を送る)
  • 第5文書 『スコラ神学者ラトムス批判』1521年(ラトムスの序文に対する回答;ラトムスが攻撃する第1条項:「すべて善いわざは罪である」 ほか)

「BOOKデータベース」 より

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