カプグラ症候群という迷路
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カプグラ症候群という迷路
(脳・心のサイエンス, 3)
日本教育研究センター, 2020.4
- タイトル読み
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カプグラ ショウコウグン トイウ メイロ
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注記
文献: p115-117
内容説明・目次
内容説明
妄想的人物誤認症候群の一つとして、カプグラ症候群もしくはソジー(ソシア)の錯覚がある。これは、患者が現前に居る既知の相貌(=身近な他者)を「瓜二つ」であるが、偽物であると誤認する精神症候である。本書を通して筆者は、この不可思議で稀な病を、分析哲学の可能世界論を駆使しながら徹底的に探究した、精神科医、新山喜嗣の論理を敷衍した上で、そうした捉え方に対して、視覚認知における腹側視覚路/背側視覚路およびそれらに対応する相貌の意識的認知・識別/情動・感情(親しみ)の無意識的感知に基づく視神経科学からのアプローチ(成因論)を対置した。また、ソジーの錯覚の探究過程で見出した二つの事柄、すなわち視覚認知の二経路を起源とする、二つの世界了解の様式である「行動」と「意識(表象)」と、現われの構造(現象学)および自然変換(圏論)を通しての、私とは何かという問いの日常的捉え直し、をスピンオフとして追加した。
目次
- 第1部 ソジーの錯覚もしくはカプグラ症候群研究の分水嶺(妄想的人物誤認としてのソジーの錯覚;分析哲学によるソジーの錯覚の分析・解明—新山喜嗣の論理展開;ソジーの錯覚研究の分水嶺—妄想的人物誤認の神経科学的アプローチ)
- 第2部 ソジーの錯覚のスピンオフ(視覚認知の経路と世界了解の様式;“私”の規定の再検討—現象学と圏論に学ぶ)
「BOOKデータベース」 より