時からの影
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書誌事項
時からの影
(クトゥルフ神話 : ラヴクラフト傑作選 / H・P・ラヴクラフト著 ; I・N・J・カルバード脚色 ; 府川由美恵訳, 4)
KADOKAWA, 2020.3
- タイトル別名
-
The shadow out of time
- タイトル読み
-
トキ カラ ノ カゲ
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注記
原作: H・P・ラヴクラフト
内容説明・目次
内容説明
アーカムにある悪名高いミスカトニック大学の教授が体験した5年にわたる記憶喪失の謎を解明しようとする膨大な時空の物語。主人公は、どんな犠牲を払ってでも、途方もない真実を知ろうと壮大な探求に没頭していく…1934〜35年にかけて書かれた本作は、H・P・ラヴクラフトの長編形式の小説としては最後のものである。著者は例によって謙虚に、「完成した作品には満足していない」と言明している—それでもこの作品は、1936年6月に初めて『Astounding Stories』誌に発表されて以来、怪奇小説の古典のひとつとして広く認められている。“神話”にまつわる少し前の作品、『クゥトルフの呼び声』や『狂気の山脈で』を基盤とした本作品は、ラヴクラフトの主要テーマ、すなわち、宇宙規模の驚くべき事実の顕現、迫りくる古代の力に直面する人類の無力さ、宇宙のなかの人間の居場所の再評価といったことをより強く押しだした作品となっている。主人公ピースリーは、ラヴクラフト作品のなかでも最も感情移入しやすいキャラクターのひとりとして描かれる—探求に駆り立てられ、想像を絶するものを理解しようとし、圧倒的な精神のストレスにさらされるが、それでも人間的なあたたかみと息子への愛情は決してなくすことがない。I・N・J・カルバードのあざやかな脚色が、物語の筋やピースリーの22年に渡る調査の冒険譚を完璧にとらえ、緊迫したリズムを刻み、そして忘れがたい結末へと向かう。本作が、なぜジャンル小説のなかでも最も魅力的な作品でありつづけるのか、よくわかる仕上がりとなっている。
「BOOKデータベース」 より