藤沢周平とどめの一文
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藤沢周平とどめの一文
(新典社新書, 81)
新典社, 2020.8
- Other Title
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藤沢周平 : とどめの一文
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フジサワ シュウヘイ トドメ ノ イチブン
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Description and Table of Contents
Description
端正な文章で知られる藤沢周平の時代小説から「一文一段落」でしめくくられる七十三作品を取り上げ、その終わり方から作品を読み直す。鮮やかな幕切れを演出する末尾文が、いかにして読者にとどめを刺すのか。主に登場人物の描写で終わる一文を通じて、藤沢作品とそこに描かれたひとびとの魅力を紹介する。
Table of Contents
- おしのの、短い旅は終っていた。—(暗い繩)
- 疲れてかすんだ眼をこすり、清次は再び鑿をとり上げると、(略)—(闇の梯子)
- お吉はつぶやいたが、不意に自分も掌で顔を覆った。—(父と呼べ)
- 薄闇の中にいる男とは、遠い昔に別れていたのだ、とも思った。—(旅の誘い)
- その鳥たちのしあわせに、微かな妬ましさを感じながら、(略)—(霜の朝)
- 屋根を叩いていた時雨は、遠く去ったらしく、(略)—(時雨のあと)
- 耳に轟いて、題目の声が続いていた。—(穴熊)
- 耳を聾するばかりの時の声の中で、直太も寝たまま首をもたげ、(略)—(石を抱く)
- 達平は、まだ頭が痛かった。—(拐し)
- 橋の方から駆けてくるおようを指さしながら、おすまはそう言った。—(閉ざされた口)〔ほか〕
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