妄想
著者
書誌事項
妄想
みすず書房, 2020.7
新装版
- タイトル別名
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WAHN
- タイトル読み
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モウソウ
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注記
原タイトル: WAHN
内容説明・目次
内容説明
ルートヴィヒ・ビンスワンガーは現存在分析論に立脚した精神医学を創始し発展させてきた。しかし主著『精神分裂病』を完成した彼が晩年にいたってフッサールの現象学の持つ精神医学にとっての重要性をあらためて強調し、『うつ病と躁病』(1960)を発表したことは、当時の人間学的精神医学の内部に大きな波紋を呼び起こした。その五年後に刊行された本書は、前著に対する批判に答えて現存在分析から現象学的方法への移行を示しつつ、三つの症例の周到な現象学的記述を試みたビンスワンガー最後のモノグラフィーであり分裂病論の総決算である。症例のなかでもストリンドベリのそれは時間性の障害に基づく自己構成の障害と深く関わる「間接現前」の障害を鮮明に表している。妄想において問題となる相互主観性の領域の出発点ともいえる他我構成論に着目し、妄想における「他者性」の解析を行った先見性など、今日においても本書の意義は大きい。
目次
- A 存在論的‐現存在分析的基礎づけ
- A‐B 妄想の現存在分析的基礎づけから現象学的研究への移行
- B1 経験および妄想‐“経験”の特性の現象学的記述(「正常な」経験と妄想‐経験の諸段階;綜合の第一段階—知覚;綜合の第二段階—妄想‐知覚ないし妄想‐統覚;第三段階—妄想‐“経験”)
- B2 経験のなお一層の現象学的構築および妄想‐経験のなお一層の解体(経験のなお一層の現象学的構築;臨床例について示される妄想経験の現象学的解体)
- C 宿命の論理
「BOOKデータベース」 より