生存のための身体信号 (ソマティックスマーカー) : ホメオスタシスへの回帰
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生存のための身体信号 (ソマティックスマーカー) : ホメオスタシスへの回帰
(脳・心のサイエンス, 4)
日本教育研究センター, 2020.12
- タイトル別名
-
生存のための身体信号
- タイトル読み
-
セイゾン ノ タメ ノ ソマティック マーカー : ホメオスタシス エノ カイキ
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注記
文献: p69-71
内容説明・目次
内容説明
神経科学者、A.R.ダマシオは、「脳だけでは心は生まれない」という立場から、脳と身体の相関性を重視し、ソマティック・マーカー仮説を提唱した。それは、私たちが環境からの働きかけを感知し、入力すると、扁桃体および腹内側前頭前野(VMPFC)を通して内部で情動的な身体反応が喚起され、その信号が推論や意思決定を促進するというものである。その後、こうした身体ループに加えて、実際に身体反応がなくてもイメージだけでリスクを察知する仮想的身体ループが見出され、同仮説は拡張された。ソマティック・マーカー(身体信号)は、私たち人間が生き存えるために脳内に備わった機構であり、まさしく、「脳の中の身体」と呼ぶに値する。
目次
- 1 心理学の情動論的転回(「知・情・意」における序列関係;神経科学における非侵襲的技術の進展 ほか)
- 2 ソマティック・マーカー仮説の展開(生体と環境のかかわりの経路;ソマティック・マーカーの本質と特性 ほか)
- 3 脳損傷者の臨床事例とソマティック・マーカー仮説の誕生—アイオワ・ギャンブリング実験とフィネアス・ゲージ(アイオワ・ギャンブリング実験と腹内側前頭前野損傷者が喪失したもの;前頭前野眼窩部損傷者フィネアス・ゲージが喪失したもの)
- 4 ソマティック・マーカー仮説による認知行動療法の再編(科学的心理療法としての認知行動療法の概要;認知行動療法の実践に基づく認知行動療法の理論の再構築—「情動・感情」を最大限生かす)
- 結語
「BOOKデータベース」 より