香りの詩学 : 三国西晋詩の芳香表現

書誌事項

香りの詩学 : 三国西晋詩の芳香表現

狩野雄著

知泉書館, 2021.1

タイトル別名

香诗学 : 三国西晋诗歌中的芳香描写

The poetics of fragrance : aromatic expressions in the poetry of the three kingdoms and the Western Jin

タイトル読み

カオリ ノ シガク : サンゴク セイシンシ ノ ホウコウ ヒョウゲン

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注記

その他のタイトル「香诗学 : 三国西晋诗歌中的芳香描写」は中文要旨による

その他のタイトル「The poetics of fragrance : aromatic expressions in the poetry of the three kingdoms and the Western Jin」は英文要旨による

収録内容

  • 暗香疏影
  • 香りを含む女たち. 1 先秦から後漢の詩歌辞賦作品
  • 香りを含む女たち. 2 魏晋期の詩歌作品
  • 香る身体
  • 迷迭の賦をめぐって
  • 輝ける香り、芳しき光り
  • 舞台の上の曹丕楽府
  • 「戀」する潘岳
  • 芳りと響き
  • 芳る祖国
  • 谷と蘭
  • 謎の蘇合香
  • 匂い立つのか、響くのか
  • 匂いの幸わう国
  • 文学としての香り

内容説明・目次

内容説明

目には見えないが、確かに存在している香り。詩人たちはそれをどのように表現してきたのか。中国古典における芳香表現のもつ意味とは何か。三国志の時代は激動の時代であったが、香り・匂いの表現においても大きな転換をなした。本書は、先秦漢魏晋南北朝期の詩文、とりわけ三国西晋期の詩歌における嗅覚の表現を通して作品の内側に迫る独創的な研究業績である。第1部は、先秦から南北朝期の詩歌辞賦作品における、芳香と女性の表現の系譜を辿る。第第2部では、後漢末の建安年間から西晋王朝による再統一後までの作品に注目し、外来した地中海原産の植物「迷迭」など多種多量の香料に包まれた詩人たちが、匂いそれ自体を表現し始める様子を描く。3部は作品の文化的側面に焦点を当て、伝統的な香料である蘇合香を手がかりに悪臭と霊力の謎に迫りつつ、さらには『三国志』周瑜をめぐる表現にも言及する。中国文学のみならず、日本文学研究にも多くの示唆を与えうる貴重な成果。

目次

  • 暗香疏影—嗅覚の響く場所
  • 第1部 香る女性像の系譜(香りを含む女たち(一)—先秦から後漢の詩歌辞賦作品;香りを含む女たち(二)—魏晋期の詩歌作品;香る身体—六朝民歌の子夜四時歌と謝恵連「擣衣」詩を中心として)
  • 第2部 香りの表現と匂いの記憶(迷迭の賦をめぐって—建安文学における香気の発見;輝ける香り、芳しき光り—曹植「迷迭香賦」の「順微風而舒光」句をめぐって;舞台の上の曹丕楽府—楽舞と芳香の表現をめぐって;「戀」する潘岳—漢魏西晋詩歌に見える「戀」字と潘岳「悼亡詩」について;芳りと響き—二陸の詩歌作品に見える感覚表現;芳る祖国—陸機「悲哉行」の芳香表現をめぐって;谷と蘭—陸機「贈潘尼詩」をめぐって)
  • 第3部 香り・匂いの文化誌(謎の蘇合香—二つの異聞のはざまで;匂い立つのか、響くのか—周瑜の「美」をめぐって;匂いの幸わう国—孫呉の時を超える匂い)
  • 文学としての香り—匂いの表現をめぐる個別性と普遍性

「BOOKデータベース」 より

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