チーズとうじ虫 : 16世紀の一粉挽屋の世界像
著者
書誌事項
チーズとうじ虫 : 16世紀の一粉挽屋の世界像
みすず書房, 2021.5
- : 新装版
- タイトル別名
-
Le fromage et les vers : l'univers d'un meunier du XVIe siècle
Il formaggio e i vermi : il cosmo di un mugnaio del '500
- タイトル読み
-
チーズ ト ウジムシ : 16セイキ ノ イチ コナヒキヤ ノ セカイゾウ
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注記
フランス語版 (Flammarion, 1980) の全訳、原著イタリア語 (Einaudi, 1976) の重訳
2012年6月にシリーズ「始まりの本」として刊行したものの単行本
内容説明・目次
内容説明
1583年9月、イタリア東北部、当時はヴェネツィア共和国本土属領のフリウリ地方において、ひとりの粉挽屋が教皇庁により告訴された。名をドメニコ・スカンデッラといい、人びとからはメノッキオと呼ばれていた。職業柄、白のチョッキ、白のマント、白麻の帽子をいつも身に着け、そして裁判の席にあらわれるのもこの白ずくめの服装だった。「各人はその職業に従って働く。あるものは身体を動かし骨折って働き、あるものは馬鍬で耕す、そして私はといえば神を冒涜するのが仕事だ」「私が考え信じるところでは、すべてはカオスである、すなわち土、空気、水、火のすべてが渾然一体となったものである。この全体は次第に塊になっていった。ちょうど牛乳からチーズができるように。そしてチーズの塊からうじ虫が湧き出るように天使たちが出現したのだ」かく語り、二度にわたる裁判を経て焚刑に処せられたメノッキオとは何者か。異端審問記録ほか埋もれた史料を駆使しつつ地方農民のミクロコスモスを復元、民衆文化の深層にスリリングに迫ったギンズブルグ史学の初期傑作。
目次
- メノッキオ
- 村
- 最初の審問
- 「悪魔に憑かれている」?
- コンコルディアからポルトグルアロへ
- 「高い地位にある方々に対して存分に語る」
- 古いものを残した社会
- 「かれらは貧しい人びとからむさぼりとる」
- 「ルター派」と再洗礼派
- 粉挽屋、絵師、道化〔ほか〕
「BOOKデータベース」 より