移動する地域社会学 : 自治・共生・アクターネットワーク理論
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書誌事項
移動する地域社会学 : 自治・共生・アクターネットワーク理論
(新潟大学人文学部研究叢書, 19)
知泉書館, 2024.3
- タイトル別名
-
移動する地域社会学 : 自治共生アクターネットワーク理論
- タイトル読み
-
イドウ スル チイキ シャカイガク : ジチ・キョウセイ・アクター ネットワーク リロン
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注記
参考文献一覧: p [287] -308
内容説明・目次
内容説明
本書は、社会的現象が様々な存在の連関により生み出されるとするアクターネットワーク理論の視点から、地域社会の多様な動態を描き出す“移動する地域社会学”の理論と実践を結んだ研究成果である。第1部「理論と方法」では、アクターネットワーク理論の方法が有する社会学における意義を初めて体系的に明らかにする。提唱者ラトゥールの訳者でもある著者は、その理論をいかに調査に活かすかを詳細に論じ、社会学のあり方そのものをも問い直す。第2部「ケーススタディ」では、アジア各地のフィールドワークから、アクターネットワーク理論で地域社会を記述する意義を具体的に探究する。仙台市柳生地区ではモノを媒介とした新旧住民の相互変容から生まれる共同性を、バリ島では観光開発に伴う慣習や儀礼の変容と刷新を、そしてマカオでは中国返還による住民組織の連関を歴史と現在からたどる。さらに山形における災害支援NPOの活動観察や、青森の自治体病院再編の調査では、地域社会の組み直しの可能性を探る。社会学の新たな研究法に挑むと共に、町づくりや防災の取り組みにも豊かな着想を提供する画期的業績である。
目次
- 第1部 理論と方法(創発の社会学からアクターネットワーク理論へ;アクターネットワーク理論の基本概念をたどる―調査者と被調査者にとっての「移動の自由」;アクターネットワーク理論と記述的社会学の復権―社会学者が説明しないための「理論」;アクターネットワーク理論と岸政彦の「生活史」―地域社会の歴史と構造をめぐって)
- 第2部 ケーススタディ(文化遺産と地域社会―仙台市柳生地区の町内会と柳生和紙;「開発と文化」と地域社会―バリ島村落世界と観光開発;自立型観光開発と地域社会―バリ島南部サヌール村の場合;ポストコロニアリズムと地域社会―マカオの「街坊会」の場所性;災害「弱者」と地域社会―山形県内のNPOと「地域協働体」;災害支援NPOと地域社会―東日本大震災を対象にして;自治体病院再編をめぐる「批判」と地域社会―青森県西北五地域を対象にして)
「BOOKデータベース」 より