分裂病と構造
著者
書誌事項
分裂病と構造
金剛出版, 1990.4-1991.8
- [正]
- 続
- タイトル読み
-
ブンレツビョウ ト コウゾウ
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内容説明・目次
- 巻冊次
-
[正] ISBN 9784772403344
内容説明
ラカン理論の難解さは定評があるが、分裂病を研究する著者が現象学からラカンへと移った経緯が、『エクリ』の読み方を中心に、「序論」で興味深く紹介されている。著者によれば、分裂病の構造は現行の家族理論では明らかにしえないという。その基本障害をラカンの「排除」の理論が説明するとする見解が、境界例の「不安」のラカン的解釈とあわせて、「理論編」で述べられる。ラカン理論の骨子がわかりやすく説かれ、分裂病の臨床と精神病理に関心がある医師に、ラカンを摂取する筋道を示してくれる、恰好の入門書である。
目次
- 序論(分裂病の現象学から構造論へ)
- 理論(分裂病家族研究の方法論的検討;現象学的分裂病論とラカンの精神病論;不安・攻撃について)
- 臨床(分裂病者は何を語るのか;第1級症状の二つの根;破瓜型分裂病の治療—妄想型との比較)
- 終章(精神病理学から見た分裂病のリハビリテーション—認知行動療法をめぐって)
- 巻冊次
-
続 ISBN 9784772403696
内容説明
安永理論は分裂病体験を見事に説明するが、ファントム空間短縮論は分裂病の生物学的障害を仮定している。著者は「序章」で、ラカンの「他」に拠ってそれを批判する。「理論編」では著者はまず他者としての治療者を論ずる。「症例」では、わいせつなことを口走り、自分は天皇であると語る74歳の女の誇大妄想が自閉の観点から検討される。「終章」では、『破瓜病の精神病理をめざして』を著した著者が、ラカンを破瓜病に絞って読むことで統一的に理解し、自らの分裂病研究の出発点にしようと試みている。
目次
- 1 序章(ファントム論をめぐって—ラカンの精神病論との差異)
- 2 臨床理論(分裂病者にとっての治療者という他者;「軽症分裂病」の症状論;陰性症状の精神病理学的考察)
- 3 症例(慢性分裂病の誇大妄想について;孫を産み続ける分裂病の老婆)
- 4 終章(ラカンによる「破瓜病の精神病理をめざして」の歩み)
「BOOKデータベース」 より