死よりも遠くへ
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死よりも遠くへ
(新潮文庫, よ-16-2)
新潮社, 1992.7
- タイトル読み
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シ ヨリ モ トオク エ
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内容説明・目次
内容説明
死ぬときは独りぼっち、と誰もがうすうすは気づいている。しかし、死に至る者よりも、生きている人々のほうが、本当はずっと孤独で寂しいのではないか—。死んでいった者は、その周囲の人々の生の現実を浮き彫りにする。アイドル歌手の岡田有希子、豊田商事事件の永野一男昭和天皇など、一つの時代の終わりの6つの「生と死の風景」を、気鋭の作家が鮮やかに描くノンフィクション。
目次
- 境界領域で—プロローグ(ノンフィクションとフィクションの領域が交錯する場所に表現の深淵がある。取材現場の彼方に見える事実とは何か。)
- 二千億円の彼方
- アイドルの遺言
- 優等生の退屈で冷たい気分(「やはり、高橋和巳は越えられなかった」—愛人の看護婦を殺害した元学生運動家の医師・森川映之の、焦燥と挫折。)
- それから、廃墟はにぎやかに(観光客で賑わう京都金閣寺。戦争、炎上、古都税…。五十年間住職として生きた禅僧村上慈海が体現した戦後の姿。)
- 強いられた転轍(生の陰には死がある。国鉄がJRに生まれ変わる激動の中で追い詰められ、自ら命を絶った男たちの、生と死の風景。)
- あの日、皇居前午前零時(そのとき、皇居前広場は美しい幻想空間となった。矛盾に引き裂かれた時代の終焉に立ち会った人々が重い口を開く。)
- 失われた物語に向かって—エピローグ(賑やかな言葉が滑走する現代に横たわる死者たち、その死の周辺に漂う孤立と憎しみの気配を突き抜ける物語の不在。)
「BOOKデータベース」 より