マドリッドの春の雨
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マドリッドの春の雨
（角川文庫）
角川書店, 1989.1
- タイトル読み
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マドリッド ノ ハル ノ アメ
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収録内容
- マドリッドの春の雨
- 梅が散る
- ひちふく
- 電話の中の皿の音
- 生き残りの記
- 訪ねてきた男
- 靴
内容説明・目次
内容説明
春、娘が高校を卒業したので、母親と娘はスペインの旅行をした。母親と娘が起きてから眠るまで、片ときも離れず一緒にいるのは娘が生まれてからはじめてといってよかった。母親は仕事と恋愛にかまけていて、娘のことを忘れがちに暮して来た。娘に初潮が訪れた時を母親は知らない。雨にふりこめられたマドリッドのホテルで、母親ははじめて娘の裸身を見た。弱々しいなりに描いている下腹部のカーブの果に、太い陰毛が密生して萌えたつように盛り上がっている。母親は息を呑んだ。未熟な娘の身体の中でそこだけが燃えていた。娘は未来に向かって輝やいていた。母親は老いを感じた。
「BOOKデータベース」 より
